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【読者記者】No.1882「飛距離がかなり落ちてきた。“タメ”が作れていないからだと思うのですが…」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「昔に比べて飛距離が落ちてきた」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Daisei Sugawara THANKS/トータルゴルフフィットネス

読者記者No.1882 伊ヶ谷広さん

●67歳 ●会社員 ●172㎝・73kg ●ゴルフ歴/40年 ●ハンディキャップ/15 ●ベストスコア/73 ●アベレージスコア/90 ●ドライバー飛距離/210ヤード

先生/赤坂友昭

87年生まれ、鹿児島県出身。パーソナルトレーナーというバックボーンを生かし、姿勢、筋力、柔軟性などを考慮したスウィング作りを心がける。ティーチング資格取得準備中。「洗足ゴルフスタジオ」インストラクター

伊ヶ谷さんのお悩み
「ダウンスイングのタメが作れない」


昔より全般的に飛距離がかなり落ちてしまいました。アイアンの距離感も安定しないのはやっぱりタメができないからでしょうか?


トップの時点でコックはあまり深くない(2コマ目)。切り返し後は早めにリリース動作が起こり、インパクト直前の位置で完全にコックがほどけている

伊ヶ谷 年々、飛距離が落ちてしまって……。自分のスウィングを動画で見ると、ダウンスウィングのタメがないのが気になります。

赤坂 たとえば、右手で逆さに持ったクラブで地面にあるものを叩こうとすると、振りかぶったときには小指側をほとんど握っていませんよね? 指が離れるから振り下ろすときにタメができて、叩く直前にそれを握り直すから先端が走るわけです。ゴルフのスウィングもこれと同じで、トップではグリップから指を離さないと(圧力をゆるめないと)、タメを深くできないんですよ。

伊ヶ谷 そうなんですか!?

赤坂 指を離すと、ヘッドが暴れそうで怖いからしっかり握る人が多いですが、実は手元をゆるめて速く振っても、意外と先端は思ったところを叩けます。長い棒で壁の的を叩いたりすると、その感覚がわかりますよ。

<問題点>
切り返し直後にリリースが起こる

通常は切り返し直後にタメが深くなる瞬間があるが、それが起こらずにダウンスウィングに移行し、リリースが起きている

記者「タメができないのは手首の硬さが原因ですか?」
プロ「どちらかというとグリップ圧の問題です」

グリップを強く握り締めると、手首の可動域を超えてタメを作ることができない。タメの大きいゴルファーの特徴は、トップでグリップ圧が一旦ゆるんで、切り返し後に握り直す動作があること。これによりタメができ、シャフトが体に近づく

左手 中指と薬指をメインに握る
右手 掌底部をグリップから離す

手首の曲げ角は70度で限界

手首を手の甲側に曲げるときの最大可動域はおよそ70度。これ以上のタメを作るためには、グリップをゆるめるしかない

Drill 1
足をクロスして片手で振る

両足を交差して、下半身の回転が使えない状態でクラブを振ると、切り返し付近で、どうグリップ圧を変化させればいいかがわかる

Drill 2
ハンマーのように手の力を使う

STEP 1
片手で真下に振り下ろす

STEP 2
両手で真下に振り下ろす

STEP 3
振る方向を斜めにする

3つのどのステップにおいても、振りかぶったときに握る圧力が最弱になり、それによって振り下ろすときのタメが深くなることがわかる

Drill 3
クラブを逆さに握って的を叩く

逆さにしたクラブ(あるいは長めの棒)を、できるだけ速く振って壁の的を叩く(写真)。速く振るにはトップで握りをゆるめる必要があるが、ゆるめたからといって先端のコントロールが利かなくなる(狙ったところを叩けなくなる)ことはない

Drill 4
ゴムティーでゲートを作って打つ

ゴルフボールはそもそもピンポイントすぎる目標なので、ゴムティーで広めのゲートを作って、その間をヘッドが通ればOKという気持ちで振る

<取材後記>
手の中でも振る感覚
赤坂プロは「手の中を暴れん坊にする」という表現を使っていましたが、まさにその感覚で、手の中でグリップを遊ばせるほど、タメができて速く振れるのが驚きでした。

月刊ゴルフダイジェスト2024年11月号より