Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • “10K”ドライバーの飛ばし方 #3「開閉を抑えてレベルブロー」が性能を引き出す最大のポイント

“10K”ドライバーの飛ばし方 #3「開閉を抑えてレベルブロー」が性能を引き出す最大のポイント

最新の「10K」ドライバーを徹底研究する本特集。最後は、10Kの性能を最大限に引き出すためのスウィングのポイントについて教えてもらった。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Shinji Osawa、Takanori Miki THANKS/パフォーマンスゴルフスタジオ

試打・解説/堀口宣篤

東京・葛飾区にある「パフォーマンスゴルフスタジオ」店長。アメリカでゴルフを学び20歳からティーチングの道に。ギアにも詳しく、試打経験も豊富

大きなアークで
レベルに打つ

「フェース上め」で打っても飛ばせないという10Kドライバー。ではその性能を引き出すためにはどんなスウィングをすればいいのだろうか。

「フェースの真ん中で打てるように、レベルブローが基本だと思います。小細工無用のシンプルが一番。またカット軌道だと、唯一の弱点であるヒール側に当たりやすいので、できれば避けたいですね。10Kヘッドは、上下だけでなく、左右の慣性モーメントも、ネック軸回りの慣性モーメントもすべて大きいので、スウィング中にフェースが開いたら、閉じるのが難しいクラブ。ですので、フェースローテーションを抑えて真っすぐ振るのがクラブの機能とマッチしたスウィングだと思います」


フェースローテーションを抑えるにはバックスウィングでフェースを開かないことが肝心。シャフトが地面と平行になった位置で、リーディングエッジが上体の前傾と同じになるような位置が目安だ。シャットフェースに上げるくらいの感覚があってもいいと堀口プロは言う。

「シャットフェースといっても、手首のコックは必要です。前腕を回旋させるのではなく、手首を甲・ひら方向にヒンジングするように使ってください。そしてダウンスウィングであまりタメを作ろうとせず、アーリーリリース気味にヘッドを走らせてもいいと思います」

レベルブローのためには、スウィングアークを大きくすることも大事。軸を体の中心ではなく左足の外側くらいにイメージし、そこを中心に足元に大きな半円を描くようにヘッドを大回りさせる意識を持とう。

バックスウィングでフェースを開かずに上げることがフェースの開閉を抑える最重要ポイント。右手首を甲側に、左手首を手のひら側に折りつつ、ハーフウェイバックでリーディングエッジの向きが上体の前傾と揃うように上げていこう

前腕を回旋させるのではなく、手首を甲側・手のひら側に折るように使う

Point
大きな円弧をイメージして振ろう

レベルブローで振るには、スウィングの円弧を大きくすることが肝心。スタンスの左外側に飛球線と直角な線をイメージし、そこを起点にヘッドを大回りさせる意識をもとう

飛ばしたいなら
インテンショナルプッシュ

そして堀口プロはもう1点、10Kドライバーの「振りにくさ」には注意してほしいと話す。

「10Kドライバーは慣性モーメントが大きいので、振りにくさを感じて振り遅れやすいという人も一定数いると思います。そういう人はあまり10Kとの相性はよくありませんが、それでも方向安定性という10Kの恩恵を享受したいなら、グリップを短く持ってスウィングするようにしてください」

ちなみに一発の飛びはあまり期待できない10Kドライバーだが、10Kでもビッグドライブを可能にする打ち方があるという。

「10Kが一番飛ぶのは、実はミス気味のプッシュアウトなんです。質量のあるヘッドが、インサイドアウトのアッパーで動いたときにすごく飛ぶ球が出る。なので10Kで飛ばしたかったら、最初から左を向いて構えて、意図的にプッシュアウトを打てばいいんです。ローリー・マキロイみたいなスウィングをイメージしてください。ただし難易度が高く上級者向けなうえ、ある程度パワーがあってヘッドスピードを出せないと有効にならないスウィングですので、注意は必要ですよ」

具体的には、体全体をやや右に傾け、右体重でインパクトするスウィング。ただしずっと右体重ではなく、右に乗ったトップから切り返しで一度左に踏み込み、ダウンスウィング以降で左足を蹴りながら再び右に戻るフットワークがポイント。難易度は高いが、すごいビッグボールが出る可能性を秘めているので、練習してみるのも面白いかもしれない。

右→左→右のアッパーなら
マキロイみたいに飛ばせる!

10Kドライバーが一番飛ぶのはプッシュアウト系の球。これを意図的に打てれば、10Kでもロマンのあるビッグドライブが可能だ。体の軸をやや右に傾けつつ、右に乗ったトップから切り返しで一度左に踏み込み、そこからまた右に体重を戻しながら振り抜くマキロイみたいなスウィングをイメージしよう

月刊ゴルフダイジェスト2024年7月号より