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Dr.クォンの反力打法 Vol.42 スピードUPのカギは「シフト&ローテート」

来日したクォン教授が2人のアマチュアに緊急レッスンを敢行。今回、教授が気になったポイントとは?

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる

【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

吉田 前回の勝目さんに続き、今回は綿貫吉直さんのスウィングを見ていただきます。綿貫さんは34歳でHC14.3。ドライバーの平均飛距離は230Yです。

綿貫 飛距離を伸ばしたいのもありますが、再現性が低いのが悩みです。

クォン ふむ。勝目さん同様、スウィングは全体的にとてもきれいだ。ただ気になるのは、ダウンスウィングでクラブが体の近くを通りすぎていること。

吉田 体の近くを通るのはいいことではないのですか?

クォン 体から離れすぎるのはよくないが、近くを通りすぎるのも好ましくない。ダウンスウィング時の手首のリリースが遅くなって、インパクトでスクェアに戻すのが難しくなってしまう。

吉田 それがインパクトが安定しない理由ですね。

ダウンで手首をリリースするタイミングが不安定なことが、球がバラつく要因。また上半身と下半身が同時に回ってしまうことで、ヘッドが効率よく走らない

クォン クラブを親指・人差し指・中指の3本で握って振る「3本指スウィング」や、右手1本で持ってヘッドを左肩に担いだ状態から振り下ろす「肩担ぎスウィング」をやると、適切なタイミングでリリースする感覚がつかめるよ。

吉田 クラブの重さに任せた自然なリリースになりますね。

クォン もうひとつ気になったのは、骨盤の動き。ダウンで上半身と下半身が同時に回ってしまっている。

吉田 上半身と下半身がセパレートされていないということですね。

クォン ポイントは「シフト&ローテート」。つまりシフト(体重移動)して、それからローテート(回転)するということ。「ハッピー・ギルモア」という映画を知ってるかね?

綿貫 ハッピー・ギルモア??

クォン 少し前のコメディ映画で、アイスホッケーの選手がプロゴルファーを目指す話なんだが、そのなかで、ホッケーのように横向きに移動しながらボールを打つシーンがあった。あれと同じで、ダウンの初期では胸を閉じたまま、骨盤を左にスライドさせ(シフト)、それから骨盤を回していく(ローテート)のが正しい動きなんだ。

効率よくヘッドを走らせるには、体の左側にある壁を骨盤で押すイメージで体重を左に乗せ、そこから骨盤を回していく「シフト&ローテート」の動きが重要

吉田 「シフト」と「ローテート」を同時に行ってはいけないんですね。

クォン スピードスケートをイメージしてもいい。ゴルフではスケートほど腰を落とす必要はないが、左足を広げて腰を左に回し、右足を広げて腰を右に回すという動きの順序は同じだ。次回、この動きをつかむためのドリルを紹介しよう。