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Dr.クォンの反力打法 Vol.43 通勤時間も無駄にしない! いつでもどこでもレッツ・ステップ

多忙な日程のなか来日、2人のアマチュアにレッスンを行ったクォン教授。ヘッドを効率よく走らせるための「シフト&ローテート」の動きが身につく方法を伝授してくれた。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる

【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家女性こそ地面反力

吉田 前回はアマチュアの綿貫吉直さん(HC14.3)のスウィングを見ていただきました。ダウンで下半身(骨盤)と上半身が同時に回ってしまっている点を直すとさらによくなるというお話でしたね。

クォン 切り返しで骨盤が左に移動(シフト)して、そこから回転していく(ローテート)。この「シフト&ローテート」の動きが身につけば、もっとヘッドが走るようになるよ。

綿貫 こうですか?

クォン まだ、上体が回転するのが早いね。そうだな……体のすぐ左側に壁があると想定しよう。

綿貫 壁、ですか。

クォン そう。ダウンでその壁を、左の骨盤で押す。そのあとで、体を回していくイメージだ。

吉田 まさに、シフト&ローテートですね。

クォン これはバックスウィングでも同じ。右にある壁を押して、それから体を右に回す。そして左の壁を押して、左に回る。これがスウィングの基本の動きになる。

綿貫 右に押して右に回り、左に押して左に回る……。

クォン ここで注意してほしいのは、骨盤を回すときに水平に回すのではないということ。回すというよりは、斜め上に切り上げるイメージかな。

バックスウィングでは、骨盤を右に回すというより右斜め上に切り上げるイメージで動かす。切り返しで骨盤を左にシフトし、体重を左に乗せたら、そこから左斜め上に切り上げるように動かす

吉田 こうすると、地面反力をよりダイナミックに使えますね。

クォン この動きができたら、今度はステップを加えてやってみよう。クラブは持たなくてOK。右にステップして右に手を振り、左にステップして左に手を振る。これを連続して、リズムよくやることが大事だ。

クラブを持たずに、右足に体重を乗せて右に腕を振り、左足に体重を乗せて左に腕を振る。このステップを繰り返しながら、前に進んでいく。歩くようにリズムよくやるのがポイント。両手のひらを上に向けた状態でやることで、腕と体が同調する

吉田 これをやっていると、腕を振ろうとしなくても、下半身の動きと連動して自然に振られるような感覚になってきます。歩いているときに腕を振るのを意識しないのと同じですね。

クォン そう。実際、歩きながらやってもいい。これなら通勤時間も無駄にならないよ(笑)。

吉田 これをやってる人が向こうから来たら、ちょっと怖いです……。

クォン ともあれ、この「正しい動きのパターン」を体に染み込ませて、自然に正しい順序で体が動くようになれば、より小さい力で効率的にヘッドが走るようになるから、飛距離も伸びるし、再現性も高まるはずだよ。

綿貫 今回のレッスンで、力は「入れる」ものではなく自然と「出る」ものだということが実感できました。ありがとうございます。