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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.112 “傾斜地”の極意は「真っすぐ打たない」「振りすぎない」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

練習場では絶好調なのに、コースへ行くとダメ。という人は、おそらく傾斜地に対する適応力がイマイチなのだろう。

ご存じのとおり、傾斜地は大きく分けて4タイプある。つま先上がり、つま先下がり、左足下がり、左足上がり。一般的には“上がり“のほうが“下がり”よりもカンタンだけど……ボクは逆。人より腕が長く“上がり”はダフりやすいので、なるべく避けるようにしている。

でも傾斜地は真っすぐ打とうとするから難しいのであって、真っすぐ打とうとしなけりゃそう難しくない、と思っている。

例えば、みんなが嫌いなつま先下がりは、球に届かないことが心配でどうしても当てにいってしまう。これが失敗の原因。当てにいくと腕が縮まるので先っちょに当たってしまうのだ。解決法は簡単。最初からヒールに構えておけばいいのだ。そうすれば腕が縮まってもフェースには当たる。もし、そのままヒールに当たりシャンクしたら……そのときは、構えなりに当たっている証拠。スウィングに問題はないので安心しよう。構えを調整すれば、すぐに治る。というか、最近のクラブは優秀なので、よっぽど変なところに当たらなければ、それなりの球は出るはず。なのでとりあえずヘッドをボールに届かせ、フェース面に当てることを目指してみよう。

もうひとつ、みなさんが不得意とするのが左足下がりのライ。アドレスで体重が左に乗るので、体が前に突っ込みやすい。その弊害で手が前に出ると、ヒールに当たり右に飛ぶことが多い。かといって、体の軸を保って打つとヘッドが上から入るので、今度は球がつかまりすぎて左に飛ぶミスが出る。だから、ボクは最初からカットに打ち、スライスで攻めるようにしている。カットに打つとフェース面の向きが変わりにくいので最初は左にいくがスライスするので、プラマイゼロでちょうどいいのだ。もちろん飛ばないし、球も上がらないので状況次第で番手を上げるなどの工夫は必要だけど、これが一番失敗しない方法だと思う。

つま先上がり、左足上がりも同じ。コツは真っすぐ打とうとしないこと。あとは振りすぎないこと。傾斜がキツイほど、振らない! 炭酸飲料だって振りすぎたら爆発して悲しい結果になるでしょ? それと一緒。これを肝に命じておけば、傾斜地でひざから崩れ落ちるほど悲しい失敗をすることはないだろう。

練習場シングルさんは、綺麗なスウィングで、いい球を目指しがち。対して本当のシングルさんは不格好でも変な球でも、着実に前進させることを目指している。それが適応力の差なのかもね。ということで、まずはちゃんとフェース面に当てることを目指してみよう! そしたらクラブが助けてくれるって。

傾斜地からは不格好でいいから大振りしないこと、真っすぐ打とうと思わないことが成功の秘訣。失敗する人は、きれいなスウィングでしっかり打とうとしすぎる。シングルを目指すなら、格好良さは必要ない


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年6月18日号より