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【ショートパット攻略】#4 “ここぞのパット”を決められるか…最後は「準備」がモノを言う by藤田寛之

パッティングに悩む桑木志帆が、パットの匠・藤田寛之に一日弟子入り。勝負どころのパットで弱さが出てしまうという桑木に対し、藤田が授けたアドバイスと練習法とは?

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/浜松シーサイドGC

桑木志帆

2003年生まれ。ルーキーイヤーの22年はわずか3ポイント差でシード入りを逃したが、悔しさをバネに昨年は賞金ランク10位と大躍進。課題はショートパット

藤田寛之

1969年生まれ。92年にプロ転向し、12年に史上最年長で賞金王に輝くなど、長く第一線で活躍。昨年の日本シニアオープンでも優勝を果たした。パットの勝負強さは折り紙付き

●CONTENTS●
1. ショートパットが苦手! 原因はどこにある?
2. 緩みの原因「減速」を防ぐ2つの方法
3. ドロー打ちの癖がパットにも影響していた
4. 強い心はどうつくる? 藤田流・練習の掟

強い心は“準備”がつくる

藤田 緊張した場面で入る・入らないというのは、そこで何をしたかというのとは関係ありません。成否を決めるのはそこまでにどんな“準備”をしてきたかであって、その場面のために何をしてきたかが大切だと思うんです。

桑木 それは練習ですか?

藤田 そう。そして「何をするか」ですが、自分の基準となる練習をしてください。もう1つ、たとえ1日20球でも毎日欠かさずそれをやること、この2つが大切です。

そんな藤田の“基準”を作ったのが、1日20球パターマットで真っすぐ2メートル。これを試合会場のホテルでも欠かさないというが、心の強さが試されるとき、必ずこの準備が藤田を支えてきた。


2mを毎日20球。これが強い心を作る

真っすぐ2メートルを打つとき、最も注意すべきはインパクトからボール4個分の打ち出し。入るか入らないかは重要ではなく、「この場所を通す、この速度で通過するということだけに集中してください」(藤田)

起伏のある練習グリーンはあくまで本番の練習

一見平坦に見えても練習グリーンは微妙な傾斜や芝目の影響を受け、転がりが常に一定にならないため、突き詰めれば反復練習には合わない

藤田のパッティング

真っすぐなラインで芝目の影響を受けないパターマットの反復練習で作られた藤田のブレないストローク。現在はやや大きめのテークバック&やや小さめフォローが定着

パターの特性も理解しておこう

聞きたいことは尽きないが、最後に桑木から藤田へ。

桑木 私はいま、センターシャフトのマレット型を使っているのですが、ちょっとピン型にも憧れていて。

藤田 以前、特定の試合だけ替えたことはありますが、基本は『道具は替えない』ことが大切だと思っています。たとえばいろんな車に乗ると、ハンドルやアクセル、ブレーキの具合が少し違うじゃないですか。でも同じ車に乗り続けると自由自在に操れるようになる。道具を替えてもある程度は慣れますが、基本的には自分と道具の“良い関係”を続けていくことがいいです。

桑木 なるほど。試合では寛容度の高いマレット、練習では操作性が高く感覚が鋭いパターを、と考えていました。

藤田 全然いいと思います。ただセンターシャフトだと、ピン型とは当たるタイミングが変わるので違和感はあるかも。その辺を考慮に入れて選ぶといいかもしれません。どちらにせよ道具は“相性”です。いろんな対話をしていくなかで合う合わないが決まるので、試してみることですね。

桑木の現在のエースパターはテーラーメイドの「TPリザーブ トラスM3TC」。藤田はスコッティキャメロンのピン型プロトタイプを使用

芝が極端に違う場合モデルを替える選択肢もある

エースはピン型だが、コーライグリーンの芥屋GCだけはマレット型。「感覚が違いすぎて、いつもの道具を信じられなくなりそうになったときだけ替えます」

週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日・3月5日合併号より