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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.109「バンカーにカッコいい打ち方は必要ない」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

バンカーってそんなに難しいかな? 確かにふかふかの砂は手ごわいけど、それ以外はそれほど難しくないよ。

SWは同じロフト角でもバウンス角が選べたりするから、こだわろうと思えばいくらでもこだわれる。砂の種類や目玉の具合によってもいろんな打ち方があるので、いったいどれが正解かわからなくなる。選択肢が多いことが、難しくしている原因かもしれない。

そんなこじらせゴルファーに、ボクが言いたいのは「バンカーは不細工上等!」ということだ。

バンカーが苦手な人は、おそらくカッコつけすぎなんだと思う。クラブにもスウィングにも「~映え」はまったく必要ない。

え、みんなが見てるから恥ずかしいって? いやいや、誰も見てないって。同伴者全員が自分のバンカーショットを静観するシチュエーションはめったにないでしょ。とくにグリーン近くは、バタバタする人も多いから、見ていたとしてもひとり。そのひとりも、打ち方はどうあれ出たら「ナイス!」と言ってくれるはずだ。

自慢じゃないが、ボクのバンカーショットはカッコ悪さに定評がある。ダウンでありえないくらい左わきを抜く、カット打ち。でも、ちゃーんと一発で出るから仲間うちでは普通にバンカーが上手い人で通っている。

それでいい。上等だ。

気をつけているのは「リズム」と「コック」。それだけ。

「リズム」は“ゆっくり大きく”を心がけている。普通のスウィングはパッっと上げてパッと下ろすタイプだが、バンカーでそれをやるとポテッと落ちる球になってしまう。だからジワ~っと上げ、ジワ~っと下ろすようにしている。切り返しも急がず、ゆっくり。そうすると、ふわ~っと出すことができるのだ。距離に対し、振り幅はデカめ。20Yなら70Y打つくらい振っちゃっていい。

「コック」に関しては意識的に使うようにしている。これは、ヘッドを鋭角にいれるためだ。手首のコックが難しければ、右ひじを曲げて“ひじのコック”でもいいよ。とにかくヘッドが鋭角に入れば、手首でもひじでもどっちでも構わない。ひじは曲げちゃいけない部位だと思っている人もいるかもしれないが、そんなことない。この場合は曲げまくってOKである。

もちろん、状況によっては、パッパッと打つこともノーコックで打つこともゼロではないが、基本は「球は左。フェースは開く。コックを使いながらゆっくり大きく、カット軌道で振る」これで出る。
まぁ、これもまた余計な選択肢になってしまったら、ごめんなさい。とにかく、迷ったら「〜映え」は気にせず思い切り振っちゃって。バンカーは不細工上等! でよろしくお願いします。

ゆっくりなリズムと手首のコックさえ意識すれば、たとえスウィングの形が変でも、上手にバンカーから脱出できる。大事なのは、きれいにスウィングすることではなく、砂から脱出することだ


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年5月21日号より