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日本一曲がらない男の技術 #2 セットアップは必ず“左手から”。稲森佑貴のルーティンの秘密

ドライバーの曲がりに悩む前田智徳さんが、“日本一曲がらない男”稲森佑貴を突撃取材。まずは、前田が練習のときから気になっていたという、稲森のあるルーティンについて聞いた。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki THANKS/島津ゴルフ倶楽部

前田智徳

1971年生まれ、熊本県出身。1989年に広島東洋カープに入団。抜群の打撃センスで2119本のヒットを重ねた。現在は競技ゴルフにハマり、昨年の日本ミッドアマでは39位タイの成績を残す

稲森佑貴

1994年生まれ、鹿児島県出身。2011年にプロテストに合格し、日本オープン2勝を含む通算5勝。2015年から8季連続でフェアウェイキープ率1位を堅持する日本一曲がらない男

左手でクラブをセットする
理由とは?

稲森プロは、セットアップの際、必ず左手でクラブをセットする。逆に右手でクラブをセットするという前田さんは、そこに疑問を抱いた。

「左手でクラブをセットする一番の理由は、そのほうが体をスクエアにセットできるからです。右手から先にセットすると、どうしても(右肩が出て)体が開きやすい。先に左サイドを固定して、その後で右手をスッと添えれば、体は開きづらいです」と、稲森プロ。また、左手をセットする際、同時にわきを締めて構えることで、スウィングしたときに「左の壁」が作りやすいというメリットもある。

「左わきは、腕を上から下ろして胸に密着させるイメージ。腕を下からあてがうとフォローで左わきが開きやすくなります。左腕がピンと伸びた状態でシャフトと連動して、右手がそれをサポートする感覚がベストです」(稲森)


右手から入ると体が開きやすい

ターゲットを見ながら右手でクラブを置く(セットする)と、その時点で体が開いていることが多い。そのままの状態でアドレスすると、体を右に回す「余白」が少なくなるので、トップが浅くなりアウト-イン軌道になりやすい

「左から入れば“壁”を意識しやすくなるんです」

左手でセットすると……
①体がスクエアになりやすい
②左わきを締めて構えやすい
③ボールとの距離、前傾角が一定になりやすい

左手でクラブをセットすることで、ボールと体との距離が一定になり、しっかり股関節から前傾して構えやすくなる。逆に右手でセットする場合には、クラブを置いた時点で右股関節が伸びやすく(右腰が前に出やすく)、前傾角が安定しない

>>ルーティンだけじゃない!
構え&始動も独特だった

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より