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日本一曲がらない男の技術 #4　調子が悪くなったら「チーピンを打ちます」稲森佑貴の練習法

月刊ゴルフダイジェスト
2024.02.16
KEYWORD スライス解消ドライバー前田智徳方向性アップ稲森佑貴練習法野球選手

ドライバーの曲がりに悩む前田智徳さんが、“日本一曲がらない男”稲森佑貴を突撃取材。最後は、調子が悪くなったときに稲森がやっている練習法について聞いた。

TEXT／Daisei Sugawara　PHOTO／Takanori Miki　THANKS／島津ゴルフ倶楽部

前田智徳

1971年生まれ、熊本県出身。1989年に広島東洋カープに入団。抜群の打撃センスで2119本のヒットを重ねた。現在は競技ゴルフにハマり、昨年の日本ミッドアマでは39位タイの成績を残す

稲森佑貴

1994年生まれ、鹿児島県出身。2011年にプロテストに合格し、日本オープン2勝を含む通算5勝。2015年から8季連続でフェアウェイキープ率1位を堅持する日本一曲がらない男

練習では極端にやることが重要

「右へのミスがひどいときは、左のOBウェルカム! みたいな気持ちで打っています」と稲森プロ。プロの口からOBで全然OK、という言葉が飛び出したのは驚きだが、調子を取り戻すために行う矯正法だと言う。

「僕は右へのミスが出始めると、調子が悪い証拠。そんなときはクローズスタンスにしてひたすらフックボールを打つ練習を繰り返します。フックというよりも、チーピンですね（笑）。ただ、極端にやらないと直らないんです。次の日になればまたリセットされてしまうし、試合やプレッシャーがかかる場面ではやっぱり右に出てしまう。極端にフックを打ち、つかまえる感覚を取り戻します」

ほかにも、“曲がらない男”が実践する練習法を教えてもらおう。


右へのミスが多いときの練習法1
クローズスタンスでフックを打つ

練習場では左サイドの打席に入り、フックボールを打つ練習を繰り返す。「クローズスタンスにして強制的にフックが出るアドレスにします。ダメになったらオーバーにやらないと直らないんです」

「左手から握る」はここでも徹底!

体の開きを抑えたいので、練習でも左手から握ることを忘れずにセットアップする。体が開き、わきの締まりが甘くなると、スライスや右プッシュが出てしまう

右へのミスが多いときの練習法2
アイアンで意図的にトウに当てる

スライスが出るときはヒール側に当たることが多いため、意識的にトウ側に当てる練習をする。トウでとらえることで、自然と左曲がりの球が出やすく、精神的にも安心感が得られる。ドライバーではなく、アイアンでやることが多いという

準備運動は片手打ち

プロの多くが練習の最初に行う「片手打ち」は、稲森プロも実践。「片手打ちから始めて、徐々にクラブを大きくしていきます。右手、左手両方行います。準備運動的な感じですね」（稲森）

メンタルよりも技術が先

ゴルフはメンタルスポーツと言われるが、稲森プロを間近で見た前田さんの考えは少し違うようだ。

「もちろん、メンタルは大事なんですが、それは圧倒的な“技術”があってこそのもの。技術がないのに、メンタルのせいにするなんて、それはちょっと違いますよね。プロのゴルフを見て、それをすごく感じました」（前田さん）

前田さんも日本ミッドアマなどに出場するトップアマだが、技術的な不安から、気持ちの不安につながることがほとんどだと言う。

「だからこそ、練習して技術を身に付けなければいけない。プロは練習から質が違いました。それを見られただけでも大きな収穫です。僕なりの開幕戦までに、今回教わったことをしっかり身に付けたいです」と言って、帰りの飛行機の時間ギリギリまで練習する前田さんであった。

取材日は気温2度、雪がちらつくまさかの天候だった。そんな中でも、練習する前田さんの姿を見て、稲森プロも思わず「スゴイ!」と感服。

「稲森プロに教わったことをまずは継続して練習して、結果を出せるように頑張ります!」（前田）。

今年の日本ミッドアマの成績に要注目だ!

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より

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