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日本一曲がらない男の技術 #1「ティーショットでどんなことを考えている?」前田智徳が稲森佑貴を直撃!

昨年11月下旬、「稲森佑貴プロに弟子入りしたい」と前田智徳さんから編集部に連絡があった。聞けば、ドライバーショットが曲がって仕方がないという。“日本一曲がらない男”稲森に、安定ショットの極意を教わろう!

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki THANKS/島津ゴルフ倶楽部

稲森佑貴 1994年生まれ、鹿児島県出身。2011年にプロテストに合格し、日本オープン2勝を含む通算5勝。2015年から8季連続でフェアウェイキープ率1位を堅持する日本一曲がらない男
前田智徳
 1971年生まれ、熊本県出身。1989年に広島東洋カープに入団。抜群の打撃センスで2119本のヒットを重ねた。現在は競技ゴルフにハマり、昨年の日本ミッドアマでは39位タイの成績を残す

練習からとことん頭を使う

――現役時代、孤高の天才打者と言われた前田智徳さんでも、ゴルフの球を操るのは簡単ではなかった。自称「日本一曲がるミッドアマ」の前田さんから、文字通り「日本一曲がらない男」、稲森佑貴プロに、志願の熱血取材が始まった。

前田 稲森プロほど曲がらない人だと、多少当たりが悪くても、ボクらから見たら全部ナイスショットだと思うんです。ティーショットでは、どんなことを考えているんですか。

稲森 まずは、どこまでが許容範囲かという見極めですね。「絶対にフェアウェイ真ん中」って考えると、相当難しくなりますから、グリーンを狙うのに右サイドがいいのか、左サイドがいいのか、ラフは入っても大丈夫なラフなのかという感じで、ピンポイントでターゲットを決めつつも、ある程度余裕を持った狙い方ができるようにしています。

前田 「大体あの辺」みたいなアバウトな狙い方だとダメなんですね。

稲森 難しいホールになるほど、ピンポイントの精度が必要になりますから、そこは練習のときからイメージしてやってます。たとえば、「宍戸ヒルズの14番」とか、具体的に想像して打つんですね。結構、頭を使うんで、練習場では隅っこのほうで黙々と、誰ともしゃべらずに打ってます(笑)。

前田 ボクも自分なりに考えながら打ってるつもりでしたけど、まだまだでしたね。このあと教わることも含めて、24年の競技初戦までにしっかり練習して、「稲森プロに教わって変わった」と言えるように頑張ろうと思います。

小さい頃から“曲げない”英才教育

稲森プロいわく、「昔からコントロール重視で、飛距離はあまり気にしていなかった。体の成長やクラブのスペック調整で、飛距離は後からついてくると思っていた」とのこと

「逆球」が出なければコース攻略しやすい

――さっそくコースへと繰り出した2人。

前田 打ち下ろしの左ドッグレッグが苦手で、大体、右にOBを打っちゃうんです。

稲森 曲線じゃなく直線で狙えるエリアを決めて、そこにしっかり球をつかまえて真っすぐ打っていくイメージを持つといいんです。

前田 ボクの場合、ゴルフは右打ち(野球は左打ち)ということもあってか、つかまえようとすると右手をこねちゃう。

稲森 左手がウィークだと右に抜けやすいので、左手を少しフックにすると自然につかまります。自分は左のミス(つかまったミス)は全然OKで、右に出るのが絶対にダメ。学生の頃はドローヒッターだったので、とくにそれ(逆球で右にいくこと)が嫌でした。プロになってフェード打ちになりましたが、気持ちだけは今もドローヒッターだって言い張ってます(笑)。

Point 1
左腕で引っ張るようにクラブを上げる

テークバックは左手の小指側3本を使い、クラブを遠くに上げるイメージ。ジュニア時代から意識しているため、今では左手の握力のほうが強くなっているという

Point 2
体を開かず左の壁を強く意識している

ダウンスウィングで一番意識するのは、左ひざが割れないこと。その後、フォローまで左足を粘らせることができると、いわゆる「左の壁」ができて、自然にヘッドが走る。左足の粘りがないと全体のバランスが崩れる

稲森佑貴のお手本スウィング

切り返しで左足を踏み込み、それ以上下半身が目標方向にズレないようにして、体の正面でボールをとらえている。フォローでは左ひざを伸ばし、ヘッドの走りにブレーキをかけずに振り抜いている

>>稲森佑貴の独特なルーティンに
隠された秘密とは?

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より