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【江連忠のPROJECT E】Vol.245 レイモンド・フロイド「柔らかなひざ使いでクラブの動きをコントロール」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

レイモンド・フロイド

1942年米国生まれ。米22勝(メジャー4勝)。ライダーカップでも長年にわたり活躍し米国の勝利に貢献。飛ばし屋でショートゲーム巧者。89年ゴルフ殿堂入り


ひざを大きく動かす
個性的スウィング

ニクラスと同じ時期のプレーヤーで、アッパーブローに振って飛ばすという当時の主流に乗ってはいますが、その中でもクセがある個性的なスウィングでした。

とくにダウンスウィングからインパクトで頭が右に倒れることや、右サイドのサイドベンドの大きさが当時としては特徴的でした。

ゆえに、かなり批判を受けたのも事実ですが、それでも自分を曲げず、緊張しても力まないという強さがありました。


アドレスこそ上体に力みがあるものの、ニーアクションが大きくひざを柔らかく使っていたので、それがキレの良さとムチを振るような強さを生んでいたのがこのスウィングの良さ。

ひざを横に大きく動かす柔らかさはクラブの入射角をコントロールしてアッパーに振れる要因にもなっていたので、185センチという体格も相まってかなりの飛ばし屋でもありました。

ジャンボ(尾崎)が使っていたJ’sのドライバーを海外選手として初めて使ったり、ゼブラパターを36インチの中尺にして使ってマレットを流行らせたり、発想の柔軟性があるところも興味深かったです。

左肩が高いトップは体が回りやすい

バックスウィングで肩が平らに回ってトップの左肩の位置が高くなると、肩を縦に回すよりも可動域が広くなる。このトップからだとダウンスウィングでクラブがインサイドから下りやすくなるメリットもある

フロイドの系譜を継ぐのはこの選手

蟬川泰果

サイドベンドの大きさは球が真っすぐ飛ぶ要因のひとつ
インパクト後の右サイドベンドが強くて上体が傾いている部分が共通点。球を強く打とうとすると起こる現象で、クラブを真っすぐ長く押していけるので方向性の良さにも繋がる

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より