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【江連忠のPROJECT E】Vol.244 キャシー・ウィットワース「ダウンスウィングの“右わきの締まり”は全ゴルファーの教科書」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

キャシー・ウィットワース

1939年米国生まれ。19歳でプロ転向し現役生活33年のなかで挙げた88勝は、男女通じてのツアー最多記録。賞金女王は8回。75年ゴルフ殿堂入り


両手を合掌したまま
打っているイメージ

パーシモン時代の重いクラブを女性が扱うにはパワーが必要だったので、当時活躍していた女性プロゴルファーは体格が大きい人が多かったです。そのなかでもウィットワースは175センチの長身でまさにアスリートという印象です。

体格を生かして大きなアークを描いていますが、トップとフィニッシュはコンパクト。

これは両わきが締まっていてひじの距離が変わらないまま打っているからで、まるで合掌して打っているかのようです。特にダウンスウィングからインパクトにかけての右わきの締まり方は全ゴルファーが参考にすべきだと思います。


トップがコンパクトな選手はたくさんいますが、フィニッシュで左ひじが体の前側に保たれているところは個性的。ドライバーでライン出しショットを打っているようなイメージで、これが強さの要因のひとつだったと思われます。

腕の振りはコンパクトですが下半身は躍動感があり、脚でリズムを取っていることもショットの安定性に直結する部分。全体的に力みはないけど締まりがあって余裕もある、まさにレジェンドスウィングです。

手は何もせずに脚でリズムを取る

腕はお祈りしているかのように体の前に保たれて何もせず、下半身でリズムを取りながら体主体で振っている。脚でリズムが取れる人は再現性が高くなるし上体の無駄な力みが生まれない

ウィットワースの系譜を継ぐのはこの選手

李知姫

力みはなく締まりと余裕がある
長身でアークが大きいけどトップとフィニッシュはややコンパクト。振り切って距離を出すというよりも点を狙って打っている雰囲気がウィットワースを彷彿とさせる。選手生命が長いという共通点もある

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2024年2月号より