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【読者記者】No.1827<後編>背中とお尻の筋肉を正しく使ってヘッドスピードアップ!

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「フォロー側でスピードを上げる感覚がつかめない」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Daisei Sugawara THANKS/クレアゴルフフィールド

読者記者No.1827 金堂善一郎さん

●60歳 ●会社員 ●ゴルフ歴/20年 ●ハンディキャップ/11 ●ベストスコア/75 ●平均スコア/85 ●178cm・78kg ●ドライバー飛距離/230ヤード

先生/本多広一郎トレーナー

整体師、カイロプラクティック師の資格を持ち、体の動きに精通。体の使い方の面からスウィングをサポートしてくれる。TPIレベル2インストラクター。スポーツメディア株式会社所属

本多広一郎

>>前編はこちら

金堂さんのお悩み
「ボールを押し込む筋肉が使えない」


堀田プロに教わって、ヘッド速度を上げる感覚はわかってきたのですが、フォロー側でスピードを上げ切れない感じもあります。何か筋力的な問題があるのでしょうか!?


金堂 フォロー側のスピード感がうまく出せません。

本多 フォローの回転を速くするには、右のお尻が重要なんです。切り返しで、左のお尻を後ろに引くようにしながら体全体を沈み込ませます。ダウンスウィングの途中から、左脚を伸ばしながら腰を回転させてインパクト、というのが、いわゆる「地面反力」を使うコツですが、そのときに右のお尻で右骨盤を押すと、さらにスピードが上がります。

金堂 右のお尻を意識して動かすのが難しいです。

本多 スウィングの動きの中では、股関節、ひざなど、すべてを連動させて「伸び」ながら、お尻を「締める」んですが、その一瞬で全部の命令を脳が出すのは難しいので、動きを反復して脳に覚えさせて、最終的に「自動化」するのを目標にしましょう。たとえば、クラブをバーベルに見立てて、下から持ち上げて、最後に腰を斜め上に一気に突き出すと、下半身の「伸び」とお尻の「締め」を体感できます。


<問題点>
尻の筋肉を使って押し込めていない

インパクトで腰の回転がストップし、腕の振りだけでフォローを出している。右腰(尻)を押し込むようにして下半身を回すと、さらにパワーが出る。

記者「左腰のキレを意識しています」
プロ「実は右のお尻の動きが大事です」

インパクト後、骨盤が左大腿骨(あるいは左股関節)を中心に回転する際、右骨盤の回転を右尻の筋肉で「押してやる」ことで、全体の回転スピードが上がる。右尻で押せないと、骨盤の回転にブレーキがかかってしまい、思ったほど速く振れなくなってしまう。

沈み込みからの伸び上がりで
ヘッドスピードがアップ

左足を踏み込んで、地面からの反力を有効に使うことで、腰の回転(ヘッドスピード)をアップできる。沈み込む際には、左の尻を後ろに引くようにし、伸び上がる際には右の尻を斜め上に押し上げるようにすると回転力が増す。

エクササイズ1
開いた両手で押しながらスウィング

アドレスの姿勢で両手を地面に向けて開き(右手が上)、下向きに押す形にする。ずっと押し続けるイメージのまま、スウィングの動きを行う。背筋と尻の筋肉を使い方がわかる。また、左ひじを伸ばしたまま上げる練習にもなる。

エクササイズ2
クラブを股関節に当ててデッドリフト

クラブを両手で持ち、股関節のところに押し当てた状態からスタート。クラブをひざまで下げ、そこから元の姿勢に戻る際、下半身全体で伸び上がりながら腰を前に突き出す。尻の筋肉で腰を押す感覚がわかる。

エクササイズ3
ダンベルを下から上に振り上げる

ダンベルのような重いものを両手で持ち、反動をつけて股の下から一気に上に振り上げる。腕だけでなく、下半身全体で伸び上がる力を使う。尻の筋肉が強く収縮するのがわかる。

右サイドから押せるようになった!

インパクトの時点で、右の尻を斜め上に押し上げる動きが、少しだけ見られるようになってきた。継続して練習することで、もっと強く尻で押せるようになっていくはず。

<取材後記>
楽して振ってたのがよくわかった
背筋にしても、お尻の筋肉にしても、今まではほとんど使っている意識がなくて、いかに「楽して」振っていたかがわかりました。下半身を使うって、こういうことなんですね。

月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より