飛距離を伸ばすには「回転力」を上げることが重要だと石井雄二コーチは言う。ただ、「体を回す」ということに関し、アマチュアは勘違いしている人が多いようで……。

TEXT／Daisei Sugawara　PHOTO／Hiroyuki Okazawa　THANKS／六甲国際ゴルフ倶楽部

●CONTENTS●
1. スタンスは広いor狭い、どっちがいい?
2. 回転力がアップする正しい体の回し方
3. 正しい動きを染み込ませる3つのドリル

上半身と下半身を
分けて考えよう

軸をずらさず、回転で振るには、①胸を回すこと、②股関節を動かすこと、の2つが必要だと石井は言う。

「2つをいっぺんにやろうとしないで、上半身（①）と下半身（②）を分けて、それぞれをきちんとできるようにすることが大事です。まずは胸。両手で重いものを持って回すとやりやすいですが、両手を胸の前に組むだけでもいいです。下半身を回す必要はまったくなく、ただ胸だけを意識して回してください。これは可動域を広げようという話ではなく、あくまでも自分自身の可動範囲の中でスムーズに、軸をぶらさずに回すようにしてください。

胸を回せるようになったら、次は下半身。胸の前で手を組んで、アドレスの姿勢から下半身（腰）だけを動かす練習をしてみてください。最初はかなり難しいですが、最終的に意識的に股関節を動かして骨盤の入れ替え（腰の回転）ができるようになるのがベストです」（石井）

この2カ所の動きを組み合わせると、スウィングになる。軸を動かさないことで、上下がきちんとつながるのだ。

STEP 1
重いものを持って胸を回す

背骨の胸あたり（胸椎）を回転させて、胸の面を左右に向ける。勢いをつけて、左右に体を揺らすと軸がぶれて回転力が弱まり、スウィングになったときに地面からの反力も使いにくい。

【Point】自分の回せる範囲以上は回さない
胸は無理せず回るところまで回せばいい。それ以上回そうとすると、手でクラブを持ち上げる動きにつながりやすい

STEP 2
前傾姿勢を取り股関節を回す

左右の股関節を交互に「切り上げる」イメージで、上半身を動かさずに腰を回転。スティックをベルト通しに刺したり、鏡を見ながらやると正しく動かせているかが分かりやすい

【Point】腰の高さが変えないように注意
骨盤の前傾角を変えずに回るのが正しい動き。ひざを使って無理に回そうとすると、腰の前ずれ（上体の起き上がり）が起きる。

【Point】フォロー側は腰を切り上げる

とくにフォロー側では、左腰を斜め後ろ方向に「切り上げる」ように意識すると、股関節が正しく動き、腰がスムーズに回転する。

ここもポイント!
股関節から前傾させる

猫背でお尻が落ちた状態は、そもそも体が回転しにくい。股関節から前傾を作り、背筋を伸ばして構えることで、体が回りやすくなる

穴井詩のお手本スウィング
「回転だけを意識させました」（石井）

スウィング感覚を大きく変えずに、胸と股関節を動きやすくして回転を楽にした。

>>正しい回転を手に入れる
とっておきの練習法とは?

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  【飛ばしは“回転力”】#3「正しい回し方」を体に染み込ませる3つのドリル

  「回転力を高める」といっても、ただ体を回せばいいわけではない。最後は、正しい体の回し方を覚え込ませるためのとっておきドリルを教えてもらった。 TEXT／Daisei Sugawara　PHOTO／Hiroyuki Okazawa　THANKS／六甲国際ゴルフ倶楽部 解説／石井雄二　いしい・ゆうじ。1976年生まれ。2023パナソニックオープンレディースで穴井詩を4年ぶりの優勝……

月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より