Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【飛ばしは“回転力”】#1 スタンスが「広い」or「狭い」 飛ぶのはどっち?

【飛ばしは“回転力”】#1 スタンスが「広い」or「狭い」 飛ぶのはどっち?

女子ツアー随一の飛距離を誇る穴井詩を指導する石井雄二コーチによると、飛ばしで重要なのは、大きく体を揺さぶることよりも、「回転力」をアップすることだという。では、どうすれば回転力を高めることができるのか。詳しく聞いていこう。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/六甲国際GC

解説/石井雄二 いしい・ゆうじ。1976年生まれ。2023パナソニックオープンレディースで穴井詩を4年ぶりの優勝に導く。プロだけでなくアマチュアにもレッスンを行う
矢口愛理 やぐち・あいり。1998年生まれ。今年、LPGAのティーチング資格A級を取得。石井のもとで幅広い層にレッスン活動を行っている

●CONTENTS●
1. スタンスは広いor狭い、どっちがいい?

2. 回転力がアップする正しい体の回し方
3. 正しい動きを染み込ませる3つのドリル

スタンスを広くしたほうが
飛ぶと思っていませんか?

本人は「飛ばそう」と思ってやっていることが、実は「カン違い」であることは多い。たとえば、ワイドスタンス。下半身がどっしりと安定し、強いスウィングができそうだが、実際は回転がしづらくなって、スウィングスピードは出しにくい。

「スタンスを広くするのは、アドレスなどの静止状態を安定させるのには有効。でも、スウィングという回転運動中に、いかに軸をぶらさずに速く回るかという、『運動の安定』を求めるなら、それに適したスタンスの幅があるはずです」と、石井。垂直跳びで高く跳び上がろうとするときに、両足を目いっぱい開く人はいない。それと同じで、回転する際にもスタンスは適度に狭めたほうが、必要な部分が動きやすく、スムーズに回れるのだ。

「現代のクラブは軽く、長く、球離れが早い。そういう道具のポテンシャルを引き出すには、人間は回転するだけの物体となって、いかに軸をぶらさずに振れるかということが大事です。地面からの反力も全部、回転のために使う。それが現代のもっとも効率のいいスウィングということなのです」

ジャンプも狭いほうが高く飛べる

足幅を広くしてジャンプすると、垂直反力をあまり得られないため高く飛べない。スウィングも同じ考え

スタンスを狭めたほうが回転しやすい

スタンスを広げるほど下半身の回転が抑えられ、トータルでトップの回転量が減る(写真右)。足を狭めると下半身から回りやすくなる(写真左)

現代の主流は「シンプルな回転運動」

昔は体をめいっぱい使って振っていた

昔のクラブは重かったので、切り返しでの強い踏み込み動作によって意図的に軸ずれを起こし、その力を利用してクラブを引き込んでいた。軌道がズレやすいぶん、インパクトでの感覚的なアジャストが必要だった

>>では、回転力をアップするには
どこを意識すればいい?

月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より