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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.74 SWで「0.5ヤード」打てますか?

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフは飛距離がアドバンテージになることは間違いない。だから、ゴルファーは1ヤードでも飛ばす努力をする。でも実は、飛ばすことよりもっと難しいのが、飛ばさないことなのだ。

みなさんはキャリー0.5ヤードのショットを打てますか?

1ヤードが約90センチだから、その半分で約45センチである。

よく短いアプローチはフルショットの力を弱めたバージョンだと思っている人がいるが、それだとどうしてもインパクトがゆるんでしまい、ボールうまくとらえられない。トップしてゴロゴロと何ヤードも転がってしまうか、あるいは激しくダフってまったく飛ばないかのどちらかになりがちだ。大ダブリして結果的に0.5ヤード、というのはあるかもしれないが、それだとコースでは使えない。そうではなく、ゆるまず芯に当てて0.5ヤードを打つ。これは、やってみると、意外と難しいことがわかるだろう。しかし、できるようになるとすごく便利だ。実際、ボクもコースでめっちゃ使っている。

以前も言ったけど、ボクがアプローチで使うのは、基本SW1本。ロフトが立ったクラブで転がしたりはせず、SW1本で上げたり転がしたりを打ち分けている。距離や高さを変えるのは、打ち方よりもクラブを変える方が簡単なのはわかっている。それなのに、なんでわざわざ難しいことをするのか? というと、それはショット地点までクラブを2~3本もっていくのが面倒だから。SWで打ち分ける練習をしたのは、本を正せば。そんなしょうもない理由だった。でも、これが何かと好都合なのだ。2~3本持っていくとクラブ選択を迷うし、結局迷ったまま打つと失敗することが多い。また、何本も持っていくと、セルフの場合は置き忘れる可能性も高くなる。その点、SW1本なら迷いようがないし、置き忘れることも少ない。メリットだらけである。

なので、みなさんにもぜひ飛ばさない打ち方を覚えてほしいのだが………、普通に打つとSWはクラブの特性上、どうしても上に上がってしまい0.5ヤード以上飛んでしまう。そこで、ボクはあえてクラブの特性に逆らった打ち方をしている。

ボールは左足親指前に置き、クローズスタンスで構える。少しハンドファーストにして、フェースをかぶせる。この形でインパクトしたいので、アドレスを作ってしまうというわけ。そこから、コックを使わず、フェース面を下に向けたままテークバック。そして、先ほど作ったインパクトの形にクラブを戻してくる。すると、イメージとしては、最下点の1センチ手前でボールに当たる。フォローは惰性の感覚がいいかな。ただ、インパクトで止めようとするとそこに力が入ってしまうので、飛びすぎてしまうから注意が必要だ。これで飛ばない打ち方の完成。

これなら家でパターマットや、カーペット上からでも練習できるよね。めっちゃ地味練だけど、マスターして損はないだろう。きっと、飛ばす努力より、飛ばさない努力のほうが、スコアに直結するよ!

クローズに構えることで自然とインサイトにクラブが上がりやすくなる。飛ばさない練習は、手先だけではできない。体の使い方を覚えるのに最適だ


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年6月19日号より