【上がって止まるアイアン】#4 右への移動は必要ない! 小祝さくらの練習法とは?
上がって止まるアイアンショットを手に入れる本特集。最後は、吉田直樹コーチのもと、理想のアイアン弾道を手に入れた小祝さくらの取り組みを教えてもらった。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazaw、Kazuo Iwamura THANKS/千葉セントラルGC、美らオーチャードGC、かねひで喜瀬CC、平川CC、井山ゴルフ練習場、KA.MI.FU.ゴルフレンジ
解説/吉田直樹
よしだなおき。小祝さくらや脇元華、谷原秀人を指導。芦屋の「ゴルフラ キンタ」でアマチュアにもレッスンを行う
●CONTENTS●
1. 止まるアイアンショットの条件とは?
2. 高さを出すには“左足体重”
3. インパクトで“左腰を跳ね上げる”
4. “右に移動しない”小祝さくらの練習法
テークバックで
右に動きすぎていた
小祝さくらを昨シーズンからフェードヒッターに変身させたのが、吉田コーチ。「左体重」と「フェード」は本質的に相性がいい。
「彼女は、『頭を残す』、『体を開かない』、『左のカベ』の3つを大事にしてゴルフを覚えたらしいので、それが過剰になって、かなり強いイン-アウト軌道で打っていました。最初にやったのは、とにかく(テークバックで)右に移動しないこと。頭を押さえて、右に動かないようにして打つ練習を何度も繰り返しました。
ようやく左にいたままで打つのに慣れてくると、(右に揺さぶって戻す動きがなくなって)踏み込む動作を忘れがちになるので、左足かかとを浮かせて、それをドンと下ろして打つ練習もよくやっています。今は、左体重で打てるようになったことで高さが出て、適正なスピンも入るようになったので、グリーンでしっかり止まる球が打てるようになっています」(吉田)
左体重になり精度がアップした
元々は、強烈なイン‐アウト軌道でドローを打っていた小祝。球筋をフェードに変え、左体重でボールを上からとらえることで、「止まる球」を手に入れた。
以前は“残して”打っていた
以前の小祝プロは、テークバックで大きく右に動き、切り返しで左に戻りつつも頭を残し、胸の開きをがまんして打っていたため、イン‐アウト軌道が強かった
Drill 1
頭を押さえてスウィングする
頭の右側にクラブを差し出して、テークバックで頭が右に動かないようにして打つというのは、昔からある練習法。プロであっても、新しい動きを覚えるには、地味な反復練習が一番
Drill 2
左足かかとを浮かせて踏み込む
ずっと「左体重」でスウィングすると、左を「踏み込む」意識が希薄になる。トップで左足かかとを上げ、それを下ろすことで切り返す練習をすることによって、左への踏み込み感覚を強化できる
「コンパクトトップ&左体重」
小祝さくらのアイアンスウィング
スウィングがスタートしてからトップに至るまで、頭がほとんど右に動いていない。コンパクトなトップから、左足の踏み込みをきっかけにクラブを下ろし、終始「左体重」で、ボールを上からとらえている
月刊ゴルフダイジェスト2023年5月号より