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【飛ばし】SWで低い球が打てると飛距離が伸びる① プロはロフトの半分の高さで打ち出せる!

「どうして、プロが打つSWのショットって、あんなに弾道が低いんだろう…」。毎週、トーナメント取材を行っている編集部員が、 そんな疑問を思い立ち、独自に取材を進めていた。 すると、SWの低い弾道は「フェースにボールがくっついている時間」に関係しているということがわかった。 さらに取材を進めると、SWで低い球を打つことは、 飛距離アップと密接な関係があるということがわかった。

【解説】石井 忍プロ
いしいしのぶ。1974年生 まれ千葉県出身。多くの ツアープロを指導するか たわら、アマチュアにも レッスンを行う。本誌「考えないショートゲー ム」連載中

押し込むことでエネルギーが伝わる

プロがSWで低く打てる理由はハンドファーストでインパクトしているからだと石井忍。石井はこれが飛ぶスウィングの大基本になると言う。

石井 アマチュアの多くは実際の ロフトよりも高さが出てしま っていることがほとんど。理由はリリースが早くてロフトが寝た状態で当たっているからです。しっかりロフトを立てながらコンタクトして、フェースにボールが乗る。これはSWだけでなくすべてのク ラブで必要になるスウィング の基本になります。

SWの出球の理想は30度

プロのSWの出球は低い。理由はインパクトがハンド ファーストになっているから

アマチュアの出球は高い

出球の角度の理想は約30度 で、ロフトの約半分の角度だ。 ロフトを立てることでボールに伝わるエネルギー効率が高まるわけだが、そのためには必要な体の動きがある。

低い球が出るのはボールを押し込むから

「球を押し込める」人はインパクトで頭が下がる!

フルスウィングでハンドファーストに当てる場合には、ちょっとした工夫が必要だと石井は言う。

石井 ハンドファーストに当てるにはアドレス時の手首の角度をキープすることが必須になります。ただし、フルショットになると、遠心力は大きくなります。するとキープさせる意識だけではハンドファーストを実現できないんです。そこでプロ達がやっているのが頭を下げる動きなんです。

体が回転するから沈まないと届かない

石井 回転による遠心力が大きくなると体は起き上がる方向へ動きやすくなります。結果、それではボールに届かないので手首をリリースするしかなくなります。

石井 ハンドファーストでインパクトするには頭を下げてボールに届く体勢を作る必要があります。頭を下げることで、遠心力と相殺されて前傾角度が キープされ、ボールを押し込むことが可能になります。

手首をリリースせず、入射角を鈍角に

ボールを押し込むには入射角を鈍角にすることも大切な要素だと言う。

石井 アプローチの場合、鋭角にするとヘッドスピードが上がりすぎちゃう可能性があるんです。鋭角にするということ は手を前に動かすので、手首の角度が強くなります。するとリリースの力も強くなるので、再現性が悪くなるということです。

ドライバーでは、鋭角に当てるとスピン量が増えすぎてボールが吹き上がってしまう。また、ダウンスウィングで溜めが強くなるほど、インパクトでフェースを管理することが難しくなると石井は続ける。

石井 大事なことはクラブヘッドと頭の距離を変えずにスウィングすることです。すると船底のように円弧の角度がゆるやかになって、ボールを押す時間が長くなるわけです。

効率よく飛ばすには余計なスピン量を減らすことが重要な条件になる。そのために必要になる鈍角な入射角は手先で作るのではなく、体の動きで生み出す必要があるというわけだ。

【ポイント1】体とヘッドの 距離を変えない

体や頭とクラブヘッドの距離を変えずに振ることで 入射角は鈍角になる。イメージ的には体から遠くにヘッドを上げていく感じ。最初は小さい動きから 実践していくことがオススメ。

【ポイント2】ややインサイドにクラブを上げる

体のラインに対してややインサ イドにヘッドを上げていくことで より鈍角に入れやすくなる。外側 に上げると、どうしても上からヘ ッドが下りて鋭角になりやすい。

フェースにくっつけて飛ばす②に続く

PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Takanori Miki

週刊GD2019年10月22日号より

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