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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.71 “4つのボール位置”でアドレス総点検!

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

朝晩の寒さもだいぶやわらぎ、ラウンドするにはちょうどいい季節となった。いよいよ、オフの間に練習した成果を発揮する時である。

オフの間と言えば……頑張って難しいアイアンを練習していたうちの母だけど、この前見たら、えらい簡単なクラブに変わっていた。

「どうしたん? 使うの諦めたん?」と尋ねたところ、笑いながら次のような答えが返ってきた。

「なんと、お父さんがお客さんに頼まれたクラブを発注ミスしてね。シャフトを差し替えちゃったから、返品もできなくて。どうするのよコレ。誰が使うの! えっ、しょうがない、私が使うかってことで使っているのよ」

最初はしぶしぶだったそうだが、今は「やっぱり優しいクラブは、球が上がって良いわね」と気に入っている様子だ。この、転んでもただでは起きない感じ、尊敬している。親父も救われたことだろう。

今回は、そんな母が本格的なシーズンに入る前に必ずチェックしていることを紹介しよう。それはゴルフの基本のキ、アドレスだ。

「正しいスウィングを習得することが上達への近道だと考えている人が多いので、どうしてもスウィングばかりに目がいきがちだけど、ゴルフで一番重要なのはやっぱりアドレスでしょ」と昔から言っていた。

正しいアドレスを作るには、押さえておくべきポイントがいくつかあるが、母はまず、ひとつの番手に対し「遠く」「近く」「右寄り」「左寄り」と最低でも4つのポジションを試し、フェースのどこに当たったかをチェックする。

先っちょなのか、ヒールなのか。さらにヒールの傷跡からもヘッドの軌道を推測。もしトウダウンしているのがわかったら、体が浮き上がっている証拠なので修正する。

そんなこんなで、もろもろ微調整しながら、最終的にいい塩梅のスタンス幅、クリップ位置、球の位置、重心位置などを決めるそうだ。

まるで、何かの製品を出荷前に総点検するみたいだよね。でも出荷後に不具合が見つかったら大変でしょ。ゴルフもシーズン途中で不具合が出るより、事前に不具合を見つけて修正しておくほうが絶対いい。さすがに13本全てやるのは大変だと思うので、試しにドライバーだけでもやってみるといいかもしれない。

よく同じ番手で10球打つと飽きちゃう、というゴルファーがいるけれど、それはただ漫然と打っているから。確かに、ゴルフはサッカーや野球のように、守備の練習、攻撃の練習、走塁の練習と言うようなメリハリがない。練習場だったら、同じ打席で、同じ方向を向いて、同じ動きで、止まっている球を黙々と打つだけ。特に、都心のゴルファーは隣の席の人と会話することもないらしいからね。飽きると言う気持ちもわからんでもない。そんな時は、母のように1球1球ボール位置をアレンジし、考えながら打ってみてはどうだろう。きっと何かしらの気づきは得られるはずだ。

さ~て、今日は気持ちが良いので、僕も球を打とうかな。

スウィングの乱れはアドレスからきていることがほとんど。ボールとの距離を確認しながら行うことで理想のアドレスを探ってみよう


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年5月22日号より