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契約フリーの高橋彩華。悲願の初優勝を支えたのは“曲がらない”赤いフェースのドライバー

4月のフジサンケレディスで難コース川奈を攻略し、悲願の初優勝を飾った高橋彩華。“黄金世代”11人目の優勝者誕生の裏には今年から使うドライバーと、昨シーズン出合った頼れるパターの存在があった。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa

高橋彩華
たかはし・さやか。1998年7月24日生まれ、新潟県新潟市出身。10歳でゴルフを始め、2016年日本女子アマを高校3年で制覇。18年に2度目の受験でプロテスト合格。日本ウェルネススポーツ大在学中

今シーズンからクラブ契約フリーに

昨シーズン、トップ10入りが21回を数え、未勝利ながら賞金ランクも自己最高の11位をマークした高橋彩華。開幕前から今季初優勝が期待されていたが、8試合目でついに念願の初勝利を手にした。高橋は今季からクラブ契約フリーとなり、好きなクラブを使えるようになった。そして選んだドライバー、テーラーメイド「ステルス」が初優勝を後押しした。

フジサンケイレディスの1日目、高橋は8バーディ、ノーボギーで川奈を攻略し、コースレコードタイの「63」を叩き出す。

「久しぶりに自分がイメージした出球が出るようになってきた。流れもずっとよくて、ついたチャンスもほとんど決められた。内容的にはすごくいいラウンドでした」とラウンド後に話した高橋。ドライバーショットが安定していただけでなく、昨シーズンから使用する「トラスTB1 トラスヒール パター」がいい仕事をする。とくに砲台グリーンの17番パー3ではグリーン奥にこぼし、左足下がりのアプローチも寄せ切れずピンチを迎えたが、4メートルのフックラインを見事に沈めパーをセーブ。

この貯金を生かし、通算10アンダーの単独首位で10度目の最終日最終組を迎える。

「ずっとトップだったので、夜からちょっと緊張していて、朝のティーショットも緊張していました」と、朝イチのショットはフェアウェイをとらえることができず右のバンカーにつかまり、1番、2番と連続ボギーでのスタート。過去の嫌な経験が脳裏をよぎる。

「また勝てないのかなと思ったけど、そこから立て直せて、自分らしいゴルフが戻ってきてくれたので、落ち着いてゴルフができました」と3番、4番の連続バーディですかさずバウンスバック。12番、13番でもバーディを取りスコアを伸ばしていくが、14番グリーン奥でリーダーボードが目に入ってしまう。

「それまで見なかったのに、目に入っちゃって。あー、1位じゃんってなって」さすがにプレッシャーがのしかかる。そして迎えた川奈の名物ホール、強烈な打ち下ろしの16番パー5。左サイドは海で絶壁。

「ちょっと巻いて、すごい冷や冷やしました」と、あわや海に吸い込まれたかに思えたティーショット。行ってみると同組で回っていた木下彩が「めっちゃギリギリ」と言ったように、わずか2ヤードで難を逃れていた。これまでだったら完全にOBだっただろう。プレッシャーがかかる場面で、曲がらないと評判の「ステルス」ドライバーが、その真価を発揮し、曲がり幅を抑えてくれたのだ。ここから上がり3ホールをパーでまとめた高橋は、2位に2打差をつけ見事初優勝を手にした。

「目標は早めに2勝目を挙げること」と語った高橋だが、その目はその先にある「女王の座」を見据えていた。

テーラーメイド
ステルス

PGAツアーで人気のスライディングウェイトの付いた「ステルス プラス」ではなく、ミスに強く曲がりにくい“やさしい”「ステルス」を使用

週刊ゴルフダイジェスト6月7日号より