Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 【頑固オヤジ】Vol.152「バックライン位置のアレンジは、アイアンやウェッジでもできる?」

【頑固オヤジ】Vol.152「バックライン位置のアレンジは、アイアンやウェッジでもできる?」

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回のお悩みは「バックライン」について。

ILLUST/Kochi Hajime

前回のお話はこちら

Q. バックラインの位置
どうアレンジできる?


以前、チッパーのチューンでグリップのバックラインの位置を変えるチューンを取り上げていましたが、他のクラブにも応用できますか? アイアンとウェッジで試してみたいんですが……。 (49歳・HC11・会社員)


“重さ頼み”は打てなくなる

4月に入ると、男女のメジャー競技が始まるから、本格的なシーズンインを感じるよな。テレビ観戦も楽しくなるし、プレーするのも気持ちいい。まあ、オイラみたいな花粉症には辛いけどね(笑)。

冬場にクラブメンテナンスを考える常連さんは多いんだが、3月の終わりにも1人、やってきた。

「オヤジさん、この前、雑誌でチッパーのグリップチューンの話、してましたよね。あれ、アイアンとかでもいけるんですかね」

  • 東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回のお悩みは「チッパー」のチューンナップ法について。 ILLUST/Kochi Hajime Q.冬場に有効なチッパー、グリップチューンの正解は? 冬場は転がしで寄せたいと思い、チッパーを購入。よりパター感覚に近づけようと、ソフトタイプの太めのグリップに交換したところ、距離感が全然合わなくなりました。どうすればいいですか? (57歳・HC14・会社員) しっかり打てるグリップを選ぶ いやあ、正月早々いいニュースだったよな、松山英樹のソニーオープン優勝。39年前の青木功のウィニングショットは、ウェッジのフルショットでチップインイーグルだったけど、松山は3番ウッドでベタピンイーグル。青木のときはアレ!? て感じでビックリしたけど、松山のはパットまでの勝利感を楽しめたよな。「オヤジさん、読者からチッパーの質問が来ました」担当さん、寒いのは嫌いだからまだ打ち初めラウンドはしてないんだと。こんな言い訳してると、ラウンド数は増えねえよな(笑)。「冬場ラウンド向けにチッパーを購入したそうですが、愛用パターと同様のソフトタイプの太めグリップに交換したところ、距離感がボロボロだとか。どう直せばいいのか、知りたいそうです」冬場にコロガシで寄せる発想は悪くないし、そのためにチッパーを入れるのもいい選択だと思う。ただ、グリップをソフトにするのはいただけないな。 この記事は会員限定です続きを読むには会員登録が必要です 「本人も気づいていると思うけど、グリップ交換がダメだったな。パターと同じようにしたいと思っても、チッパーを使う場面はピンから10~30ヤードぐらいだろ。ロングパットぐらいしっかり振るのに、フワフワのグリップじゃ、バラつくのが当たり前だよ」「ソフトタイプはショートパット向き、ということですか?」「そうとは限らないんだけど、しっかり打ちたいのにソフトグリップで対応できるのは、それこそ上級者。特に手がかじかむような冬場は、月イチレベルじゃ無理だと思うよ」だから、チッパーにはノーマルな太さと硬さのグリップでいい。 バックラインをアレンジする ただ、グリップの挿し方を工夫すると、より扱いやすくなるポイントはある。「パターと違ってチッパーは、平らな面があるグリップは装着できないよな。でも、バックライン入りはOK。これを生かすんだ」「バックラインで、何が変わるんですか?」「バックラインを、左手親指と人差し指で挟める位置に持ってくる。通常の真下の位置から、120度くらい回した所だな。こうすると、フェースの向きを感知しやすくなるんだよ」別に、バックラインの位置はここに限定しなくていい。自分で、グリップのどこが出っ張ればフェース面を感知しやすくなるか、探すといいんだ。「バックラインをより強調するのに、昔は竹串とかを下巻きの中に仕込んだけど、ゴルフプライドの『アライン』ぐらいしっかりしていれば、そこまでする必要はないと思うね。太さもバリエーションがあるから、しっくりくるのを選べるし」「なるほど。他に、チッパーのチューンでオススメは?」「特にないけど、まず購入時点でロフト選びは気を付けないとな」「オヤジさんのオススメは?」「35度以上はほしいな。というのも、昔からチップショットは6、7番がベターだったんだけど、当時のロフトがそのぐらい。転がしといっても、適度なキャリーとスピンが入らないと、コントロールが利かないからな。それ以上ロフトが立っていると、グリーンエッジから3ヤードぐらいまでしか使えないだろうしね」「ヘッド形状はパター寄りとかアイアン寄りでは、どちらが?」「好みでいいけど、オイラはアイアン型のほうが、使い勝手はいいと思うよ。パター型は真っすぐ振るイメージしか許さないけど、アイアン型なら少しカットに振ったり、トウ寄りに当てたりして加減が利くからな」ちなみに、ソール幅は広めがいい。ポンと球が浮くからね。 月刊ゴルフダイジェスト2022年4月号より 「頑固オヤジのクラブ工房」バックナンバー

「ああ、バックラインの位置を変えるヤツかい。できるよ」

几帳面な性格で、最初はロフトとかバランスとか数値にこだわってたんだけど、オイラと付き合ううちにイイ感じにアバウトになってきた経理担当の部長さん。毎年、2月にはグリップ交換に来ていたんだけど、今年遅れたのはそのバックラインのチューンが気になったらしい。

「用具規則を読み返したら“手のための型”は違反となっていたんですけど、バックラインはオヤジさんの言うとおり、180度回してもいいんですよね?」

「そうだよ。“間断のない、真っすぐで、若干盛り上がったリブをグリップの長さ全体に”組み込むことができる、とも書いてあったろ。そこに、装着時の位置の指定や制限はないのさ」

最新の用具規則だと“若干の盛り上がり”も数値で示されていて、横断面の外形の最大と最小の差が0.04インチ(1.016ミリ)以内、つまりリブ(バックライン)の厚みは1ミリ以内に収めろ、てことだな。長さもグリップの先端から3インチ以内までは入っていないと短すぎてダメ。左手部分だけねじって入れるなんてのもダメだな。


手のどの部分をあてがうか

「じゃ、昔みたいに竹串で盛り上げるのはNG?」

「いや、1ミリ以上盛り上げなけりゃいいんだよ。まあ、角張るほど出っぱらせたらアウトだろうけどね(笑)。かませ物は、バックライン無しのグリップをチューンして、リブの厚みを個人向けにカスタマイズするのにはいい」

市販グリップならもちろんリブの厚みはルール適合。コード入りのほうが表面は硬いぶんリブを感じやすい、とかはある。

「じゃ、早速相談なんですけど、リブの位置はアイアンでも親指側がいいんですか?」

「まあ、考え方はいろいろだよ。昔、ジャンボ軍団のプロはリブをウィークの位置、左に45度くらい回している選手が多かったんだけど、実際にはそんなに左手を開いて握っていたわけじゃない」

「どういうことですか?」

「リブを左手のどこにあてがうかをまず決めるんだよ。ジャンボ軍団は下巻きを3重にするくらいグリップを太くして、それでいて握りやすさを求めていたんだと思う。だからリブは、左手指の第二関節でしっかりつかみたかったんじゃないかな。で、右手は第一関節。結構収まりがいいんだよ」

「チッパーの話みたいに、左親指と人さし指の間よりもいい?」

「だから、それをまず決めるんだよ。フェース向きをしっかり感じやすくするのに、手の中にどう収まってもらいたいか。左手と右手なら、左手優先で考えるのがいいとは思うけどね」

「とりあえず、気になったチッパーの話の位置にしてください」

「じゃ、まず7番とPWだけ取り替えてみようか。それでしっくりきたら、他のクラブも全部替える、てことで」

「あ、それなら8番とAW、ジャンボ軍団式にしてください。それも試してみたいから」

1週間後、打ち比べた結果、チッパーのやり方で統一した。ドローが打ちやすくなった、とか言っていたけど、それは個人差。いろいろ試してみるといいよ。

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より