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【ヘッドデータは嘘つかない】“小ぶり”なのにミスに強い! ヨネックス「イーゾーン GT 425」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はヨネックスの『イーゾーン GT 425』ドライバーを取り上げる。

つかまりすぎないイメージが出ている

ヘッド後方の外周に「サイドウォール」と呼ばれる肉厚加重帯を配置することで、効率よく慣性モーメントを高めたヨネックス『イーゾーン GT ドライバー』の小ぶりヘッド『425』を紹介する。インパクトで当たり負けしない「ぶ厚いインパクト」が可能だという。

クラブとヘッドを計測していこう。数値はすべて実測した値になる。クラブ重量は296.2gと標準的だが、クラブ長さが45.25インチと長過ぎず、スウィングウェイトもD1.1と標準的なので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが285万g・㎠に抑えられている。この数値だと、ドライバーのヘッドスピードが42㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。

ヘッドを見ていこう。426㏄と小ぶりな大きさで、かつフェースの高さも低いシャローフェースモデル。輪郭的には時計盤でいうと1~2時方向の張り出し感があり、球をつかまえ過ぎない逃し系のイメージが出ている。1度オープンなフェース角とも相まって、フェースにはかぶったイメージがまったくない。

Point1 ヘッド体積は426ccと小さい
Point2 ネック軸周り慣性モーメントは7485g・㎠とやや大きい
Point3 低重心率は67.7%で高重心設計

小ぶりだがMOIは大きい

実際に試打したところ、オープンフェースと57.5度のフラットなライ角度でスクエア感が強く、球をつかまえ過ぎないイメージが出ている。試打クラブは10.5度でメーカー純正『RK-03GT』(フレックスS)仕様。シャフトは軟らかめの設計ながらもインパクトの再現性が高く、このシャフトなら、ヘッドスピード40㎧くらいのゴルファーがいちばんマッチするのではないか。

アドレスしただけでわかるほど、ヘッド体積が小さく、小ぶりなヘッドだが、重心深度は450~460㏄ヘッドと比べても非常に深いので、ヘッドサイズの割には左右方向のヘッド慣性モーメントは4780g・㎠と大きく、ミスに強いモデルといえる。フェース面のスイートスポット位置がフェース中央よりもトウ寄りなのが特徴で、フェース中央で球をヒットしてもドロー回転は入りにくく、総じてフェード系の弾道が打ちやすいヘッドになっている。また、ヘッドの重心深度が43.8ミリと非常に深いので、インパクト時にヘッド後方が垂れる、いわゆる“アッパーの動き”になりやすく、球の打ち出し角度も高くなり、やさしさを感じる。

フェース高さが50.7ミリとシャローフェースなので、低めのティーアップのほうがフェースの芯を捉えやすく、厚いインパクトになりやすい。また、クラブ長さが長過ぎないので、高いミート率で、適度なスピンも入り、フェード系弾道で安定しそうだ。スコアメイクに役に立つドライバーといえるだろう。

オープンフェースと、57.5度というフラットなライ角で、アドレスしたときに球がつかまりすぎるイメージはまったくなく、しっかり振れるイメージがある

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ヨネックス

イーゾーン GT 425ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より