【最新ドライバー大調査】#2 強い球で飛ばしたい!「ロースピンタイプ」10モデルを徹底試打
ドライバーは大きく分けて、つかまりがいい「ドローバイアス」タイプ、低スピン&強弾道の「ロースピン」タイプ、その中間に位置する「スタンダード」タイプの3種類があり、各社から、それぞれのタイプに応じたモデルが用意されているケースが多い。今回は、スピンを抑えたいプロや上級者が好んで使用するロースピンタイプをピックアップ。最新10モデルを徹底試打した。
PHOTO/Hiroaki Arihara、Tomoya Nomura THANKS/ゴルフ倶楽部成田ハイツリー、トラックマン ジャパン
「スタンダードタイプ」16モデルの試打結果はこちらから
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ロースピンタイプは低重心&浅重心
解説/松尾好員
小誌連載「ヘッドデータは嘘つかない」でお馴染みのクラブ設計家。セベ・バレステロスをはじめとするトッププロのクラブを手掛けた。ジャイロスポーツ主宰
「ドライバーの飛距離に、ボールのバックスピン量が大きく影響することはかなり前から知られており、そのためにツアープレーヤーはドライバーで低スピンになるようにスウィングを研究し、ボールメーカーはドライバーで低スピンになるようにボールを研究しています。そのなかで、クラブメーカーはクラブで低スピンになるものを研究し、それが低重心モデルだったのです。
結局、低重心というのは、そのクラブのフェースの高さに対して『スイートスポットの高さが低い』ことが求められます。その方法として考えられるのは、まず重心深度を浅くすることです。その理由は下図のとおりで、最新モデルの『ステルスシリーズ』の計測結果を見ていただければわかると思います。
重心とスイートスポットの関係
スイートスポット(SS)よりも上部に球が当たるとロール(フェースの上下方向の曲がり)の影響で「縦のギア効果」が生まれ低スピンになる。重心の高さが同じ場合、重心深度が浅いほうがSS位置は低くなる
ただ、浅重心設計になると、いわゆる流行りの大慣性モーメントヘッドにはならず、どちらかといえばミスにシビアなヘッドになります。同じブランドのなかで、やさしさを求める大慣性モーメントヘッドと、浅重心設計にして、スタンダードモデルに対して低スピンで飛ばせるヘッドとを作り分け、ニーズに合わせているのです」(クラブ設計家・松尾好員氏)
たとえばテーラーメイド「ステルス」シリーズでは
「ステルス プラス+」がロースピンタイプに該当
●ロースピンタイプ「ステルス プラス+」
ソールのフェース寄りにある「スライディングウェイト」により、重心深度が浅くなり、結果、フェース面のスイートスポットもやや低くなる。3モデルのなかではもっとも低スピンで強いフェード系弾道が打ちやすい
●スタンダードタイプ「ステルス」
重心距離が長く、ネック軸周り慣性モーメントも大きいので、ヘッドの返りは緩やか。フェース中央よりもトウ側にスイートスポットがあり、フェース中央でインパクトすると球にはフェード回転がかかりやすくなっている
●ドローバイアスタイプ「ステルスHD」
『ステルス』よりも重心距離が短めで、スイートスポット位置がフェース中央寄りなので球にスライス回転が入りにくい。また、ヘッドのネック軸周り慣性モーメントも小さく、ヘッドが返りやすくなっている
【「ステルス プラス+」の特徴 1】
10gのウェートが低・浅重心を生む
スタンダードの「ステルス」、ドローバイアスの「ステルスHD」とのいちばんの違いは「スライディングウェイト」。この部分にレールシステムや10gのウェートを置くことで重心位置がフェース寄りになり、浅重心になる
【「ステルス プラス+」の特徴 2】
スクエアフェース&トウ寄り重心位置で左が怖くない
「フェース角は0.0度とスクエアで構えやすく、フェース中央よりもトウ側にSS位置があるので、中央でインパクトしても、フェード回転がかかりやすくなっている」(松尾)
「ロースピン」タイプ10モデルを試打検証
試打・解説/鈴木悠介
2016年プロテスト合格。試合に出場しながらインドアスタジオ「千葉銀座CC」でレッスンも行う。千葉学芸高校出身
計測方法
鈴木プロのヘッドスピードは49m/s前後。ボールはタイトリスト「プロV1」を使用し、弾道計測器「トラックマン4」で計測。明らかなミスショットを除く5球打った平均値を掲載
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より
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