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【ギア選びのウソホント】Vol.74「カーボンフェースは“打音”がネックだった」

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

今週は話題のドライバー、テーラーメイド『ステルス』についてです。『ステルス』が話題になっている理由はフェースにカーボンを使用したことでしょう。しかし、実はテーラーメイド社では、かつてカーボンフェース搭載ドライバーをすでに発売していました。12年『グローレ リザーブ』や13年『グローレ』です。ミスに強く、飛距離性能も高かった記憶がありますが、それ以上にカーボン特有の打音(打感)の印象が強く、そこが性能の割に思ったほど人気にならず、カーボンフェースが根付かなかった要因だと思います。

さて、今回の『ステルス』はタイガー・ウッズをはじめ国内外のトッププロが使用するグローバルモデルです。グローバルモデルは飛距離性能や操作性はもちろん、先に挙げた打音(打感)が心地よいものでなくてはなりません。この解決のためにカーボンの質を向上させたのだと思います。たとえば、ただの木炭を叩いてもいい音は鳴りませんが、質のいい備長炭であれば金属に負けない音を奏でるのと理屈は同じでしょう。そしてフェースとクラウンがカーボンになったことで今まで以上に余剰重量が生まれ、設計の自由度がより大きくなり、メーカーが思い描く理想に近い重心位置にすることができたのだと思います。

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より