Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 誕生から22年。なぜ「ホワイト・ホット」は愛され続けてきたのか

誕生から22年。なぜ「ホワイト・ホット」は愛され続けてきたのか

2000年に誕生したオデッセイ「ホワイト・ホット」インサート。この樹脂インサートはソフトなフィーリングと転がりのよさで瞬く間に人気となり、現在でも愛用者が多い。白いインサートは年々進化を遂げながら2020年には「ホワイト・ホットOG」として復刻。「ホワイト・ホット」がこれほどまでに愛される理由を探ってみた!

PHOTO/Akira Kato、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos

アニカ・ソレンスタムに始まり、宮里藍、フィル・ミケルソン、石川遼、イ・ボミ、ジョン・ラームと、時代を彩った名手たちはホワイト・ホットやそこから進化したホワイト系インサートを好んで使用してきた

そもそも「ホワイト・ホット」って?

オデッセイでは90年代から、衝撃を吸収し、高い摩擦係数を持つ樹脂インサート「ストロノミック」が開発されていたが、衝撃を吸収するあまり、反発が少なく、転がりがよくないという欠点を抱えていた。そんなとき、キャロウェイの創業者、イリー・キャロウェイの「ボールのカバーと同じ素材にしてみたら?」というひと言で新しいインサートの開発に着手。ボールのカバーと同じ素材を使うことで、インパクトでのエネルギー伝達率がよく、打感もさらに軟らかく感じられた。こうしてできたインサートは、白い素材の「ホワイト」と、最新を意味する「ホット」を掛け合わせ、「ホワイト・ホット」と命名された。

表面の白色は塗装だった

初代「ホワイト・ホット」インサートは板状の素材から型でくり抜き、フェース面だけ白色で塗装していた。上の写真は初代インサートの裏面を今回撮影したもの。本来はウレタン本来の透明な色だったが、経年劣化によって黄色く変色している。フェース面も長年使用すると塗装が剥げ、ウレタン素材が出てくるので黄色くなり、素材自体も硬くなっていくという

ボールのカバーと同じウレタン素材を採用

ボールのカバーに使われていたウレタン樹脂を使用して作られた「ホワイト・ホット」インサート。「ホワイト・ホット」と同じ年に、3年半の年月をかけて開発した、キャロウェイ初のゴルフボール「ルール35」も発売された


その後、ボールの進化に合わせてインサートも進化する。

「ボールはモデルチェンジするたびに素材や構造が変化し、パッティングでも打感が変わります。それを常に同じ打感にするために、ボールが硬くなればインサートを軟らかく、ボールが軟らかくなればインサートを硬くしてきました。プロが求める順回転が打ちやすい『マイクロヒンジ』も開発しましたが、常に念頭にあったのが初代『ホワイト・ホット』の打感です」と、キャロウェイゴルフの茂貫太郎氏。

しかし、いざ新インサートをプロに試してもらうと、性能には満足するものの、最後に必ずこう言われたという。「かなりよくなった。でも初代『ホワイト・ホット』の打感とは違うね」

「機能面では画期的でも、初代を超える打感は作れなかった。そこで初代と同じ製法、素材に戻したのが『OG』。初代は素材から型でくり抜いていたものを、現在はひとつひとつ成型したり、塗装の違いはありますが、基本的には『OG』は初代と同じインサートです」(茂貫)。

22年前にすでに完成されていた「ホワイト・ホット」インサート。現在ではヘッドの鋳造技術が格段に向上し、シャフトやグリップも進化したが、求められる打感と心地よい音は時代を超えても変わらないのだ。

2002年発売の「2-Ball」が
「ホワイト・ホット」人気の火付け役に

2002年「ホワイト・ホット 2-Ball」

初代のインサートを搭載して2002年に誕生した「2-Ball」。当初はアマチュア向けの位置づけだったが、アニカ・ソレンスタムの活躍で、プロの間でブームになり大人気に

2020年「ホワイト・ホット OG 2-Ball」

「OG」とは「Old Gangster」(古き良きもの)の意味でインサートは初代「ホワイト・ホット」と同じ素材で作られている。 あとから塗装するのではなく、白い塗料があらかじめ配合されているため、時間が経っても色が剥がれ落ちることはない

「他のインサートじゃダメなんです!」
ホワイト・ホットを愛する男たち

「ホワイト・ホット」の打感と転がりに魅せられ、手放せなくなったプロも多い。プロデビューが「ホワイト・ホット」誕生と同じ2000年の高山忠洋もそのひとり。なぜずっと、同じインサートを使い続けるのか? 「ホワイト・ホット」愛を語ってくれた。

高山と『ホワイト・ホット』との出合いは05年開幕直前の量販店。軟らかな打感に「こんなパターがあるのか!」と衝撃を受けた。

「試合の速いグリーンには『ホワイト・ホット』じゃなきゃダメ。レギュラーツアーで勝ったのは全部このパターです。劣化でインサートが浮いてきてもうダメかなと思ったけど、ちょうど目の手術と重なって。時間もあるし欧州から同じヘッドを取り寄せて、インサートを移植。成功率50%と言われたけど、フィーリングも元通りに復活。たまに使う別のマレットにも『ホワイト・ホット』を移植したら、昨年の北陸オープンで勝てた。やっぱりこれじゃなきゃダメみたい(笑)」

谷口徹
「ホワイト・ホット #5」

2000年から使うエースパターで02年、07年の賞金王獲得に貢献。18年日本プロでは50歳でメジャー制覇を遂げ、この一本で稼いだ額は十数億円にもなる。「インパクトの感触が良く、強めに打てるのがいい」

上井邦裕
「ホワイト・ホット 2ボール ブレード」

05年のプロ転向後、ずっと使用しているのはピンタイプのように構えられて、ヘッド自体の直進性がある『ホワイト・ホット 2ボールブレード』。一時、アニカ・ソレンスタムも使用して話題となった

岩田寛
「ホワイト・ホット 2ボール ブレード 」

プロ転向した04年以来、ほとんどいじらずに使い続けている。「グリップエンドに穴が開くので瞬間接着剤で止めます。過去にグリップを替えたら1カ月くらい入らなくなったから、もう替えたくない」

「ホワイト」の名を冠した
歴代インサート

ボールの進化とともにソフトな打感を追い求めていた「ホワイト」インサートだが、打感だけでなく転がりも追求するようになり「順回転」がかかりやすいインサートが登場。進化してきた「ホワイト」インサートの歴史を振り返ってみよう。

>>「ホワイト・ホット」やライバルパターの名器
中古で買ったらハウマッチ?

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より