【マイギアを語ろう】「感覚よりもデータを重視」トラックマン女子・山下美夢有の14本
自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回の語り手は、昨年初優勝を挙げた山下美有夢。クラブを感覚だけでなくデータを重視して決めるという山下の選んだ14本とは?
TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Kazuo Iwamura THANKS/川崎ゴルフ練習場
確信の裏付けは『トラックマン』
プロ転向後、ショットの精度を高めるべく約300万円の弾道測定器“トラックマン”を購入。クラブ選びでも、スピン量や弾道の安定感など、よりデータ重視で選べるようになった。「ドライバーは『ZX5』と『ZX7』を打ち比べて、飛距離は『5』のほうが5ヤードくらい飛んでいたのですが、スピン量の数値は『7』のほうが良かった。スリムで小ぶりな見た目も好きなので、トータルバランスの良さで『7』を選びました」
トラックマンを購入する前は、かなり感覚で選ぶことが多かったと山下。高校時代は、マッスルバックにスチールシャフトのアイアンを愛用していた。「難しいクラブを使いたがるところはありました。使いこなせるとカッコいい、みたいな。周りには、なんでそんなクラブ使うの、とか言われていました(笑)」
キャビティバックを手にしたのは、高校3年のとき。「1回試してみたいと思って、友人のを打ってみると、マッスルより安定したので、そこから替えました」
今は『ZX』シリーズ3モデルの試打データをきっちり取り、選んでいる。「形的にはマッスルが好きなんですけど、好みではなく弾道データで決めました。弾道の安定感と自分の安心感が最優先です」
ドライバー
飛距離の「5」より安定感の「7」を選びました
「『5』も形はいいけど、少し大きく見える。『7』のほうがスリムに見えて構えやすいので好き」『スピーダーエボリューションⅣ』から、少しつかまりの良い『TR弐(プロトタイプ)』に替えて、初優勝を達成
フェアウェイウッド
“ピン”を狙うからこそ球が拾いやすいZX
スリクソン「ZX フェアウェイウッド」
「このモデルに替えてからスピン量が増えて、球も上がってグリーンを狙えるようになりました」
アイアン
高スピン、高弾道でピンを狙える
「高校3年のときにカーボンに替えたんですが、合ってない感じがして。結局、またスチールに戻しました」
ウェッジ
長いパー4対策で48度は7Wと交代
クリーブランド「RTX ZIPCORE」
「基本的には48 度を入れますが、長いパー4が多ければ抜いて、7番ウッドを入れます」
パター
硬めの打感でパチッと芯がある感じが好き
スクアード「BULLET」
「優勝時に使っていたマレットも、しっくりこなくて。いろいろ試しています」
ショットのデータは愛用の“トラックマン”で計測!
人生最高額の買い物だという約300万円の“トラックマン”を購入し先行投資。見事初優勝を挙げた
山下美夢有の14本
月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より
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