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【ゴルフ初物語】Vol.70「番手表示」は意味がない? 35年前「飛距離表示」のアイアンがミズノから登場

アイアンのストロングロフト化が進み、同じ番手でもロフト角はモデルによって異なる。番手の数字だけでは何ヤード飛ぶのかわからなくなっているが、今から35年前にその問題を解決しようとしたアイアンがあった。

ソールの数字が飛距離を表す

1982年にミズノ「バンガード」、ヨネックス「カーボネックス」、ヤマハ「フォーカススーパー C-300」、ダイワ「カーボレックス」と、国産メーカーから次々とカーボンヘッドのドライバーがリリースされた。翌年、ヨネックスから世界初のカーボンアイアンが発売される。そしてその3年後、ミズノから満を持して発売されたのがグラファイトアイアン「バンガード」だった。

ヘッド素材にグラファイトと、ニューセラミックスのなかでも最も高強度かつ高靭性を持つ「ジルコニア」を採用したハイブリッド構造で、ロングアイアンのバランスは軽くして振りやすく、ショートアイアンは重めにしてコントロールしやすいようにしたスウィングバランスフロー設計。さらに長いクラブはキックポイントをヘッド寄りに、短いクラブはグリップ寄りに持っていくキックポイントフロー設計も採用。打ちやすさを科学して、よく飛び、方向性も抜群だと謳われていた。

さらにブラックシャフト( カーボンシャフト)を装着したことで、従来のマイルドスチールアイアンと比較して初速、打ち出し角も大きくなり、キャリー、ランともに大幅にアップ。そのため、番手表示では飛距離を推し測ることができないと採用されたのが、「飛距離別」のソールナンバー表示だった。

番手の代わりに飛距離の目安がソールに刻まれており、たとえば「15/18」という表示は、ドライバーのヘッドスピードが42〜43m/sの人なら180ヤード前後、36〜37m/sの人なら150ヤード前後の距離が出るということを表している。これにより残りの距離によってクラブを簡単に選べるようになっていた。88年に発売された「バンガードSZ」アイアンでも、5番で「5/180」という飛距離別表示が採用された。

「バンガード」シリーズは1982年8月1日に発売されたカーボングラファイトヘッドのドライバーでデビューした

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より