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【マイギアを語ろう】竹田麗央「3Wに求めるのは、パー5のセカンドで“止められる”こと」

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。24年シーズン年間8勝。得意&こだわりクラブはドライバーかと思いきや、竹田は「スプーンこそ私の生命線」と話す。本人はもちろん、レッスンプロの母とゴルフショップを経営する父、家族で作ったクラブ観とは?

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Norimoto Asada、Hiroyuki Okazawa

竹田麗央 たけだ・りお。2003年4月2日生まれ、熊本県出身。24年シーズン、国内メジャー2勝含む8勝を挙げ、年間女王に輝く。圧倒的な飛距離を武器に25年シーズンは米ツアーに挑戦

パー5の2オン狙いは
“止まる”ことが大事

飛ばし屋の竹田麗央にとってパー5は2オンを狙うホール。

「スプーン(3W)は大体飛距離が出る設計になっている気がするんですが、私はただ飛べばいい、という考えはありません。 

パー5で2オンを狙う場合、ただ飛ぶだけではグリーンをキャッチしても止まらずに出てしまう。だからこそ、スプーンは高さが出ることが必要だし“止められる”ことが選ぶうえで大きな要因になります。そういう意味ではスプーンもしっかりスピンが入ってくれないと嫌で、でも、スピンが入りすぎちゃうと飛ばなくなるので使えない。ここの塩梅はすごく難しいです。 

自分でつかまえにいくので、ウッド系はすべて“つかまらない”仕様にしていますね。あと、地面から打つので、打点の多少のズレに強いことも大事な要素です。大きな飛距離ロスや曲がりにつながってしまうと、かなりシビアなので、少しやさしさは欲しいかなと思っています」

竹田が14本通してクラブに求めていることは“とにかく左に行かない”ことだという。

「私は、今はフェードヒッター(昔はローリー・マキロイに憧れてドローを打っていた)なので、しっかりフェードしてくれないと嫌。で、そうなってくると、最も嫌なのが左へのミス。ミスをしてフェードの幅が大きくなるのは許せるけど、左は絶対にダメ。もちろんそこはスウィングで調整する部分でもあるんだけど、気持ちよく、感覚的にはフェードで振っているのに、左が出たらまず使えないですね。これはウッド系には特に思っていることで、だから、できるだけつかまらないヘッドにつかまらないシャフトで、スウィングでつかまえて弾道を作っています」

3W
スリクソン「ZX MKⅡ」

シャフトはグラファイトデザイン「ツアーAD UB 6S」。つかまらない仕様だが「少し軟らかくしているのは、シビアな時でも飛距離を出したいから。高さも出しやすいのかな、よくわからないけど(笑)」

家族で作り上げた
“振り心地”重視のスペック

シャフトや重量などスペック選びに関しては、育った環境が大きく影響している。母はレッスンプロ、父がゴルフショップ経営。つまり、スウィングは母が、クラブは父が作ってきた。

「一貫していたのは“体に合ったクラブを使う”こと。身の丈にあったものをしっかり振り切る力を付けるのが最も大事だと思っています。多くの人がとにかくオーバースペックにしたがるんですが、麗央はアンダースペックから作っていきました。アイアンも、カーボンシャフトを使用させたこともありましたが、振り心地に違和感があると本人も言いましたし、こちらから見ても打球の質がスチールのほうが良かったので」(父・宜史さん)

「小さいころは練習で私が見て、夫にフィードバックしてクラブ調整する、みたいなことをやっていましたね」(母・哲子さん) 

竹田自身もシャフトとヘッドの組み合わせで大事にしているのは“振り心地”だという。

「何グラム、とか特別な数字はないんですが、振りやすい、打ちやすいものでないと嫌です」

ユーティリティ
スリクソン「ZX MkⅡ ハイブリット」

5Wではなく3UTを入れる

「UTじゃなくてもいいんですが、自分が思ったところに思った高さで操れるのが結果的にUTだった。だからこれを使っています」

ドライバー
スリクソン「ZX7 MkⅡ LS」

「つかまえにいくとちょうどいい球が出る今のヘッド、シャフトに満足しています。スピン量が少なすぎると“棒球”みたいになってしまうので2300rpm以上は確保したい」と竹田。ヘッドは「ZXi LS」もテスト中

PWは長くしてヘッドを軽く

ソールのトウ側とヒール側に穴を開けヘッド重量を軽くしているPW。ヘッドを軽くし、レングスを0.25インチ延ばすことで開きすぎていた9Iとの飛距離差15Yを10Yに調整した 

竹田麗央の14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2025年3月号より