「ノーメッキ」のウェッジはスピンが増えるって本当?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
ノーメッキ
ウェッジを含むアイアンのヘッドは、ステンレスや軟鉄、つまり鉄でできているため、工場で成型したままの状態だと、当然錆びてしまう。市販のウェッジが錆びないのは、防錆のためのメッキが施されているからだ。
しかし、90年代の後半から、プロツアーで通常のメッキ処理をしない、いわゆる「ノーメッキ」のウェッジを使うプロが徐々に増え始めた。
理由は「メッキ素材の硬質感によってアプローチのタッチが出しづらい」あるいは、「太陽光を反射してまぶしい」などさまざまであるが、デビュー間もないタイガー・ウッズがノーメッキウェッジを使用していたことの影響は少なくないだろう。
プロ人気が高まるにつれ、メーカーは錆びるのを覚悟で、一般アマチュア向けにもノーメッキウェッジを市販するようになった。
ところが、当初は、防錆のための加工をまったく施さない本当の意味での「ノーメッキ」だったため、あまりにも錆びやすく、錆びるのがわかっていたはずのユーザーからもクレームが相次いだ。そこで現在では、表面を薬品処理するなどして、ある程度錆びにくくしてあるのが普通である。
ちなみに、メッキの厚さというのはおよそ0.01ミリ程度しかなく、メッキの有無を打感として人間が知覚することはできないといわれている。それでも、打感の「やわらかさ」に明らかに影響があるように感じるのは、メッキの金属色が「固い」というイメージを脳に与えるからだろう。
また、ノーメッキのウェッジはメッキありのウェッジに比べスピン性能が高いと言われるが、花道など通常の状況から打った場合、スピン量に大きな違いはない。ただし、雨天時や芝が濡れているときなど、フェースとの間に水が介在する状況では、ノーメッキのほうがスピン量が落ちづらいというデータもある。
お手入れの手間はあるが、ウェッジにより繊細な感覚を求めるゴルファーは、一度ノーメッキを試してみてもいいだろう。
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