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400年前のボールは恐ろしく高価なのにすぐ破れた!? 飛びを求めて進化したゴルフボールの歴史【明日使えるゴルフ用語】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。

フェザリーボールは今のボールとは比べ物にならないほど高価なものだった


フェザリーボール【feathery ball】


ゴルフの用具のなかで最も進化したのは、ボールといっても過言ではない。

元々は石ころを転がしていたといわれ、その後は木製のボールを使っていた。そして1600年代に入って登場したのが、「フェザリーボール」。

これは、革製の袋に、熱湯に浸した羽毛を詰め、乾燥させたもの。直径は現在のボールとほぼ同じ4cm程度だが、重さはわずか20g強と、現在のボールの半分以下。非常に軽かったが、そのぶん耐久性に欠け、数度使用すると継ぎ目が破れて中の羽毛が飛び出すという代物だった。

それでいて、作るのはかなりの技術を要し、ひとつひとつ職人が手づくりしていたため、非常に高価なものだった。破れたら繰り返し修理して使っていたという。


ガッタパーチャ【gutta percha】


「ガッタパーチャ」は、天然ゴムの一種だが、1848年に、この木の樹液を固めて作られたゴルフボールが誕生した。発明したのは、牧師のロジャー・パターソン。このボールは、そのまま「ガッタパーチャ」、あるいは「ガッティ(guttie)」と呼ばれた。

それまで使われていたフェザリーボールは、耐久性に欠け、反発力が低く飛ばなかったのに対して、「ガッティ」は強く打つことができるため飛距離が伸びる上に、フェザリーボールより安価だったため、瞬く間に普及した。

ただし、原料がゴムの一種とはいっても打感は石のように硬かった。最高飛距離は当時のトッププロが打って、およそ220ヤードほどだったという。

当初は表面がツルツルだったが、のちに、表面に傷をつけるとより遠くに飛ぶことが分かり、現在の「ディンプル」の原型ともいえる網目模様を入れることが流行した。


糸巻きボール【wound ball】


その後登場した「糸巻きボール」は、プレーに劇的な変化を与えることとなった。

糸巻きボールは、芯に細いゴムの糸を何重にも巻きつけて、最後にカバーをかぶせるタイプのボールのこと。1899年にアメリカのコーバン・ハスケルが開発した「ハスケルボール」がその元祖。それまでのボールに比べて、反発性や耐久力に優れ、飛距離が一気に伸びた。

1930年になって液体を封入した芯(リキッドセンター)を使用した糸巻きボールが開発され、飛距離だけでなくフィーリングやスピン性能がさらに向上した。その後、プロが糸巻きボールを使う時代は、1990年代後半まで続くことになる。

ちなみに、糸巻きボールが廃れた理由のひとつに、糸巻きはスピンが「かかりすぎる」ということが挙げられる。

無駄なスピン量を減らすことでドライバーの飛距離が伸びることは分かっていたが、糸巻き構造ではその性質上、ロースピン化に限界があり、新たな材質・構造のボールの登場とともに、糸巻き時代は終焉を迎えた。

現在では、2ピース、3ピース、4ピース、5ピースというように、より高性能な素材を複雑に組み合わせたボールが主流になり、ロングショットでは無駄なスピンを抑えつつ、ショートゲームではよりスピンがかかりやすいといった、至れり尽くせりのボールが出回っている。

しかしここへ来て、ボールの「飛びすぎ」問題が取り沙汰され、プロの試合では「飛ばないボール」の使用を義務付ける規制が検討されている。

400年以上続いた「飛ぶボール」開発の歴史に終止符が打たれようとしている。