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【マイギアを語ろう】「150ヤード以内は2打で上がる」石川遼が“ウェッジ5本”にこだわる理由

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。開幕から強さを見せた石川遼のセッティングはウェッジ5本とかなり独特。石川らしい強いこだわりがあった。

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki

石川遼 いしかわ・りょう。1991年生まれ埼玉県出身。最年少で生涯獲得賞金10億円達成など、これまで様々な記録を打ち立てた。昨年は「三井住友VISA太平洋マスターズ」で3年ぶりのツアー通算18勝目を挙げた

ウェッジを43度から入れている理由とは?

「8番は160ヤード、43度ウェッジは142ヤードぐらい。この間は17~18ヤードですが、あえて広げています」

9番アイアンを抜き、代わりに43度ウェッジを投入している石川遼。

「43度は元々46度のものを、ロフトを立ててもらっています。こうするとグースネックになりやすいんですが、そうならないような特別な技術で作ってもらったので、違和感なく使えています」

ちなみに、8番アイアンではハーフショットなどの打ち方を駆使して4種類の距離を打ち分け、43度との間を埋めているという。

そこまでして43度からウェッジにしたのは、150ヤード弱からは2打で上がることを強く意識しているから。

「ウェッジの顔、打感、スピン性能で、12~13ヤードピッチでしっかり打ち分けられるように組んでいます」

ウェッジに求めているものは、フェースに球が乗る感覚と、その手ごたえが自分の距離感覚と一致していること。最近はスピン量などのデータも重視しているが、ウェッジだけはやはり感覚が最優先になるようだ。

「『フォージド』は『RAW』より顔に丸みがあって、より構えやすくて好きです」

ウェッジ
キャロウェイ「JAWS FORGED」

タイトなライからでもボールを拾える!
前モデル『JAWS RAW』に比べてリーディングエッジがやや丸みを帯び、より球を拾いやすいイメージに。また、ヒール側のフェース高さがつかまる安心感を高めている。

58度だけは走りすぎないDGに
「『モーダス』系はスピンがかかりすぎるというか、すごく抜けが良いのがフィーリング的に合わなかったので、58度だけは走りすぎない、粘り感のある『DG』にしました」

「Zグラインド」の跳ね方がいい

「ローバウンスなのにバンカーではいい感じで抜ける。タイトなライでも、跳ねて強い球になるミスが減った」

求めた距離が出せる5本ウェッジ
「43度で142ヤードぐらい。そこから12~13ヤードピッチになるよう組んでいます。このレンジでは変に加減して緩んだりせず、しっかり振って寄せたい」

最初の1球から
イメージどおりに

昨年のエースドライバーだった『ローグST MAX LS』からすぐに『パラダイム トリプルダイヤモンドS』に移行できたのは、初対面の1球目でほぼ同じ弾道が打てたからだという。

「ヘッドも小ぶりで、見た目の少しハードな感じから低めに行くのかな、と思っていたら、エースと同じ自分の好きなドローが出た。どちらかといえば、こちらのほうがより右に出たのも戻ってきてくれる感じです」(石川)

実は、メーカー担当が事前にアジャスタブルホーゼルを「N(ニュートラル)」から「D(ドロー)」に設定し、ライ角をアップライトにしていたという。構えたときにつかまらないフラットなヘッドに見えないように、という気遣いだったそうだが、上手くはまったようだ。

ドライバー
キャロウェイ「PARADYM ◆◆◆S」

「小ぶりだけどやさしさもある」
ヘッドサイズは以前のエースより明らかに小さいが「こだわりがないので、違和感なし」

アイアン
キャロウェイ「APEX MB」

今季から4Iを投入
「スウィングも落ち着いてきたので、芯でとらえる“当て感”をマッスルで取り戻したい」

石川遼の14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より