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日没対策に投光器を自作! 愛知県のゴルフ場のナイスアイデア

日が短い季節の日没対策として、投光器を搭載した「LEDカート」を自作してしまったゴルフ場がある。

品野台CCは、愛知県といっても岐阜県に近いところに位置し、日照時間も比較的短い地域。同CCの営業課長・末木孝典氏によると、冬場の日没対策として9番、18番に照明を設置しているのだが、グリーンの端々まで照らしきれていなかったという。

そこで、よく道路工事などで使う移動式投光器が明るくていいと聞き見積もりを取るも、その額165万円。使用頻度を考えると、購入には踏み切れず、自作の投光器作戦が始まったという。

インターネットで探してたどり着いたのが、屋外用のLED照明だ。駐車場などに使う広角照射タイプのLEDライトが2台。電源となるエンジン式発電機は騒音のため使えず、充電式の蓄電池を2台用意し、さらにLEDライトを取り付けるフレームも購入。カートは以前使っていた2人用のものを修理して転用し、経費は10万円に抑えることができた。

「苦心したのはLEDライトを付ける高さでした。“吊るし”の状態ではグリーンの先まで届かず、ライトの高さを試行錯誤した結果、2m40cmの高さがベストと判明しました。これで70~80ヤード先まで照らせるようになりました」

ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は次のように分析する。「ゴルフ場のベストシーズンは秋ですが、日照時間が短いため、予約を少なくしなければならないジレンマがあります。ゴルファーにしても日没覚悟でもやりたい季節。2~3組が日没から救われるなら、ゴルフ場、ゴルファー双方にとって嬉しいことですね。そのLEDカート、製品にしたら、他のゴルフ場もきっと欲しがるでしょうね」

製品化、意外とあるかもしれない。

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より

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