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水害対策で規模縮小へ。荒川河川敷の老舗コース、対応に苦慮

温暖化の影響で全国各地に「50年に1度、100年に1度」の大洪水が起きるようになった。首都圏も例外ではなく、いま東京を洪水から守るための荒川の治水工事が進められており、それに伴い、首都圏ゴルファーに愛されてきた荒川河川敷ゴルフ場が縮小やレイアウト変更を余儀なくされている。

計画に入っているのはノーザンCC錦ヶ原G、川越グリーンクロス、大宮CC、大宮国際CCの4コース。工事は下流側から行われ、早速、影響を受けるコースも出てきた。ノーザン錦ヶ原だ。メンバーの1人が言う。

「これまで43ホールあったのが、さくら草コースとれんげ草コースの一部が工事区域と重なって、9月1日から25ホールでの営業になりました。さくら草コース9ホールとれんげ草コース9ホール合わせて18ホール、なの花コースは7ホールを2周して14ホールを、いずれもスルーで回るようになるそうです」

リニューアルを機に手引きカートを廃して、乗用カートによるスループレーコースに生まれ変わり、気軽に回れるコースとしてビギナーからも注目を集めそうだ。

さらに上流にあるコースも今回は治水工事の影響を受ける。時期はもう少し先になるが、大宮CCと大宮国際CCは 令和6年4月1日からホール縮小の予定だという。

「それにより、現行45ホールが9ホール減って36ホール営業になりますので、それに合わせて一部レイアウトを変更し、より戦略性の高いレイアウトにしようかと、いま知恵を絞って検討中です」(大宮国際CCの山田支配人)

また大宮CCは27ホールが18ホールになり、こちらは距離を伸ばすレイアウトを検討しているという。

近年、急増している水害への対策のあおりを受けた形になったが、関係者の言葉の端々からは、水害リスクへの懸念が減り、むしろ前向きな印象がうかがえた。

いずれにしろ、かつてノーザン錦ヶ原の練習場ではジャンボ尾崎が練習したり、大宮国際CCではジュニア時代の川岸史果がメンバーとして通っていたなど、有名プロを育んできたコースばかり。縮小前に、そんな歴史に思いを馳せつつラウンドするのも一興ではないだろうか。

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月21日号より