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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.9「ラウンド中に叩きだした! そんなときの対応を考える」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

先日、栃木の鹿沼CCで前半51を叩きましたが、そこから冷静になりミスの原因を探りました。結果後半42を出し、見事ハーフのバウンスバックを達成できました。叩いた理由はグリーンのスピードに対応できなかったことです。鹿沼CCは20回以上来ているコースで、レイアウトは熟知していますが、当日はスティンプメーターで9.8フィートでした。

昔の遅いイメージを引きずってしまい、出だしのホールで4mを3パット。午後からは冷静になって、ホームコース扶桑CCの10フィートグリーンを思い出し、タッチを見事修正。諦めないガッツを見せられたかな、と思います。

というわけで今回は叩いたときの対処法、応急処置を考えます。


1.朝の練習場から叩く予感

昔は朝の練習場でドライバーを打って、“チーピンしまくり千代子”状態となり、焦って2箱、3箱と打ち続け沼にはまったものです。今は至ってクレバー。なんぼ調子が悪くても練習は1箱にとどめ、別の手段で対応策を考えます。それはずばりドライバーの封印です。ものは試しで1~2ホールドライバーを打ってみて、ダメならさっさと別のクラブで打つべきです。

ドライバーの次に飛ぶクラブとして、スプーンが得意ならスプーンでよろしいです。けれどドライバーが当たらず、スプーンが上手い人は珍しいです。通常は5番ウッド、あるいは4番UTまで番手を落とし、ティーショットの飛距離が170ヤードぐらいでラウンドするしかないです。毎回ティーショットで同伴者にアウトドライブされる。この屈辱に耐え、スコアで見返してやると思わないといけません。でも170ヤードを真っすぐ飛ばせれば、ボギーペースで上がれます。

2.セカンドショット以降

すべてのクラブが当たらないことはまずないので、アイアンとUTの両方を入れておけば、どちらかが調子悪くてもなんとかなります。自分はアイアンセットのなかに、保険をかけて6番と4番、2本のUTを入れています。だからアイアンだけ、あるいはUTだけで“ショットゲーム”はできます。

あとセカンドショットでボールが当たらないのは、だいたい興奮してがむしゃらに振り回すからで、常日頃からゆったり8割ショットを心がけておかないと。7番で150ヤード飛ぶなら、ゆっくり振って130~140ヤード打つとかね。今日はクラブを振り過ぎてボールが暴れる。そういうときに、この“緩め”のショットが役立つのです。常日頃、スリークオーターショット、ハーフショットは練習しておきましょう。

3.アプローチがダメな日

アプローチがダメなときは、大概ボールを上げようとしてミスをしがち。これは以前やった『転がしの技』で逃げましょう。昔、ボールを上げようとしたら、かなりの確率でシャンクして全然ダメなときがありました。転がしでもシャンクが出て、そのときはすべて『スライド打ち』にしました。後で直りましたが、プレーの途中でシャンク連発は地獄です。怖くて打てなくなります。そういうパニックになっても慌てないように、常に心の準備をしておくことが大事ですね。

4.パットがさえない

パットのタッチが合わないときは、グリーンそのものが速いのか、傾斜で速いのかを見極めることが大事です。ホームコース扶桑CCのベントは約10フィート前後ですが、いやらしい砲台グリーンは少なく、慣れると打ちやすいです。

一方、昔いた鶴舞CCはグリーンの速さは当時9フィート台が多く、さほど速くない。けれど、設計者の井上誠一は砲台グリーンが大好き。上につけると触っただけで転がり続けることがよくありました。あれは傾斜の速さだったんですね。だから9フィート台で速く感じるのは傾斜のせいです。平らなところはさほど速くない。そこを見極めればよろしいかな、と。

5.冷静になるのが大事

とりあえず叩きだしたら、頭がパニックになっているので、前半は嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。昼休みになって冷静になり、今日は何で叩いているかを分析し、その戦略を立てるのが大切です。

昔はランチ抜きで練習場に行って、打ちまくったこともありますが、その場の練習は傷口が広がるだけです。むしろ楽しい食事をして1回頭を空っぽにすれば、ふと叩く理由に気づくもの。何事も頭の切り替えが大事ですね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年5月27日号より