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「バンカーで砂に触れたら即アウト!」とは限らない。砂に触れていいケース・ダメなケース【これだけゴルフルール】

2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回のテーマは、バンカー内で砂に触れることの是非について。

砂に「ソール」するのはもちろんNGだが……

砂に触れてもいいケースは意外と多い

「バンカーでは絶対に砂に触れてはいけない」

ゴルフを始めた頃にそのように教えられることが多いせいか、バンカー内に入ると細心の注意を払い、クラブが絶対に地面に触れないように神経を研ぎ澄ませている、という人も少なくないのでは?

もちろん触れないに越したことはないが、ルール改正もあり、バンカー内で砂に触れることに関しては、実はそこまで気をつかう必要はない。

たとえばバンカーに入るときに足をとられ、転びそうになった場合。意地でもクラブや手が砂につかないように! とわざわざヘンな態勢で砂に倒れ込む必要はまったくない。転ばないようにクラブで体を支えてもOKだし、自分の打順を待っている間にクラブを杖にして寄りかかるのも問題ない。

また、クラブを2~3本持ってバンカーに入ったあと、使わないクラブを置くためにいったんバンカーの外に出る、というようなことも必要ない。使わないクラブをバンカー内に置くことはなんとなく後ろめたいが、規則上、しっかりと認められている。

ルール改正により、バンカー内で小石や葉っぱなどのルースインペディメントを取り除くことがOKになったが、その際にバンカーの砂に手が触れることも問題ない。

これはほんの一例で、ルールブックにはこれ以外にも、「砂に触れても罰を受けない」ケースが数多く記されている(規則12.2b(2))。

一方で、砂に触れてはいけない場合の代表例が、クラブを球のすぐ近くの地面につける「ソール」という行為。2019年のルール改正により、「ペナルティーエリア」内でのソールがOKになったことで、バンカー内でもソールがOKになったと思い込んでいる人もいるかもしれないが、これは間違い。バンカー内でソールしたら、依然として「2罰打」という重い罰が科される。

砂質をテストしていると疑われかねない行為はNG

では、砂に触れてもいい・悪いの基準はどこにあるのか。

バンカーでは、砂の質や硬さが事前に把握できると、有利に働く。たとえば初めてのゴルフ場で初めてバンカーに入れたとき、いつものように打ったら思ったより砂が硬くてホームランしてしまったという経験はないだろうか。もし打つ前に砂の硬さをクラブで確かめることができたら、このようなミスは防げる可能性がある。

バンカーは設計者がコースに仕掛けたワナであり、それをいかに避けつつコースを攻略していくかがゴルファーの腕の見せ所。バンカーを越えてすぐのところに設定されたピンを果敢に攻めるのはもちろんいいが、そこには当然リスクが伴う。

もしバンカーが難しいものではなかったら、バンカーに入れようが入れまいが関係なくなり、コースを攻略する面白みがなくなってしまうだろう。バンカーは「入れたらイヤなもの」でなくてはならないのだ。

だからこそ「砂の状態をテストするために砂に故意に触れてはいけない」という規則は、ルールが大きく変わった2019年以降も、頑として残っているのである。

また故意でなくても、以下の場合に砂に触れることは禁止されている(規則12.2b(1))。

・球の直前・直後の区域に触れること(ルースインペディメントを取り除く場合は除く)
・練習スウィングを行うとき
・ストロークのためにバックスウィングを行うとき

つまり、たとえば素振りのときにうっかり砂にクラブが触れてしまった場合は2罰打となる。たとえ故意でなくても、砂の状態の大きなヒントが得られるため、禁止されているわけだ。

一見複雑にも思えるバンカー内のルールだが、迷ったときは、「バンカー内で砂の状態を確かめていると疑われるような行為をするのはNG」というふうに覚えておくといいだろう。

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