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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.16 打ち上げ&砲台グリーンの“フォクシー”に挑戦!「那須GC」12番パー5

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、栃木県・那須GCの12番ホール。

【名物ホールFile 16】

那須GC 12番ホール
496Y PAR5

フラット、打ち上げ、打ち下ろし……
さまざまな表情を持つ井上誠一の処女作

避暑地として開発された那須にゴルフ場ができたのは、昭和11年と早かった。雄大な那須岳の麓に展開するコースは、藤田欽哉と井上誠一によるものだが、実際には井上単独で設計したとされている。

なだらかな山の斜面を巧みに使い、高低差の少ないホールがあるかと思えば、驚くほどの打ち上げや、打ち下ろしのホールもあり、その組み合わせは変化があって非常に印象に残る。

今回紹介する12番ホールは496ヤード、ほぼストレートのパー5。全体的に打ち上げになるが、左右の幅がやや狭くOBが近いので注意が必要。グリーン手前60ヤード地点から急激に上がり、ティーからでは30ヤードほど高く、フェアウェイから見るとまるで壁のように見える。グリーンを狙うショットは自ずと高弾道の球が要求されるが、こういった打ち上げで砲台のホールを、コース設計の分類では“フォクシー”と呼んでいる。

まだクラブがパーシモン時代のときに所属のシニアプロとプレーをしたことを思い出す。ティーショットはほぼ完璧。プロに「2オンを狙え」と言われ2番ウッドを手にしたがトップしてしまった。このホールに来るたびに、同じ失敗を繰り返さないように「パー5だから無理をせずに3オン、いや4オンでもいい」と自分に言い聞かせている。


那須GCはホール毎に変化があり、ボールのライも絶えず変化して決してやさしくないが、たとえスコアが悪くても大きな満足感が得られるコースなのだ。

温泉も料理もじっくり味わいたい

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那須ゴルフ倶楽部

栃木県那須郡那須町大字湯本212
18H・6548Y・P72 
設計/藤田欽哉、井上誠一


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2022年8月号より