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【名手の名言】ハーヴィー・ペニック「殴られて言うことを聞く者はいないよ。たまにはボールの身になってごらんよ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、ゴルフを“教える”プロの先駆けともいえる名伯楽、ハーヴィー・ペニックの言葉を2つご紹介!

トム・カイト(左)やベン・クレンショー(右)らを育てたハーヴィー・ペニック(中)


殴られて
言うことを聞く者はいないよ。
たまには殴られるボールの身に
なってごらんよ

ハーヴィー・ペニック


優れた指導者というものは、喩え話が上手い。往々にして、誰にも分かるようなやさしい喩えで、しかも含蓄のあるフレーズを発するものだ。

ハーヴィー・ペニックはマスターズで2勝したベン・クレンショー、全米オープンを制したトム・カイトを育てたテキサス大学のコーチ。名伯楽として知られる。

大学でももちろん指導したが、2人ともジュニア時代から指導を受けている。だからなのだろう、子供にも届く平易な言葉で、しかも子供たちが興味をもつようなフレーズを多く遺している。

そもそもペニックは、自分の理論やひとつの“型”を押し付けるタイプの指導者ではない。その都度悩みを聞き、アドバイスする形で、選手たちのモチベーションを持続させたり、勇気づけたりと、どちらかというとメンタルコーチに近い指導者であった。

冒頭の言葉も、いかにもペニックらしい表現ではないか。

当時の糸巻きボールは、トップするとよく表皮が切れてしまったものだ。

「そんなにいじめちゃ、ゴルファーのいうことなんぞ聞くもんかね」

力任せに叩いても、ボールは思うように飛んでくれない。コースで上手くいかないとき、思い起こしたい言葉だ。


大切なクラブの順でいえば
1にパター
2にドライバー
3にウェッジ

ハーヴィー・ペニック


マスターズを2回制し、パットの名手といわれたベン・クレンショーを育てたから、こういう言葉を遺したのだろうか?

でももう一人の愛弟子、全米オープンを制したトム・カイトはどちらかというとショートパットが苦手だった。

ペニックはいう。「ドライバーは大抵、1ラウンドで14回しか使わないが、パットは22回から30の半ばくらいまで使う。300ヤードのドライブも15センチのパットも同じ1ストローク。だからスコアメイクの面からみると、パターのウェートが高いのは歴然としているでしょう」

ドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネーといわれる所以である。

同じ質問をベン・ホーガンにしたら、「1にドライバー、2にパタ-、3にウェッジ」との答えが返ってきたという。

しかし、これは希代のショットメーカーといわれたホーガンの矜持ともとれ、やはり我々一般ゴルファーにはペニックの言葉のほうが効果がありそうだ。 ドライバーはどんなに逆立ちをしても、280ヤードを正確無比に打つことはできないが、パットならば、誰でも練習さえ積めば上手になれる可能性が十分にあるのだから。

■ハーヴィー・ペニック

1905~1995年。バイロン・ネルソンらとツアープロとして活躍したあと、全米初のティーチングプロとなる。テキサス大学のゴルフ部コーチを長く務め、同校を全米屈指の強豪校に。トム・カイト、ベン・クレンショーらを育て、男女多くのツアープロにも多大な影響を与えた。