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【名手の名言】城山三郎「自分の属する組織や家庭から離れ“無所属の時間”を持つ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、プロではないが、ゴルフをこよなく愛した作家・城山三郎の言葉を2つご紹介!


自分の属する組織や家庭から離れ
“無所属の時間”を持つ

城山三郎


『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』などで知られる作家・城山三郎。組織と人間を描き、経済小説の開拓者であった。城山の業績は余りあるが、それはここでは措くとして、ゴルフにおいても城山は一家言持っていた。

1999年頃、デフレ時代に入り、元気と余裕をなくしたサラリーマンに向けて提案したのが冒頭の言葉。

つまり、仕事にも家庭にも属さない≪無所属の時間≫をゴルフや趣味にあて、あくせくしない生活をみつけることだと、説いたのだ。

「医者に勧められ、ゴルフを始めたのは幸運だった。腕前は万年ブービーメーカーだったが、無所属の静かな時間をゴルフで得ることができたからだ」と城山は語っている。

 無所属の時間では人に迷惑をかけることにも厳しかった。「昭和の妖怪」の異名をとる岸信介が城山の前で何回もパットを繰り返すのに、「オイ、遅いぞ!」と怒鳴ったことがある。

ゴルフには社会的地位、肩書きはない。なぜならそこは開放された空間なのだから、というわけだ。


スコアが縮まるのは
僕にとってはゴルフ全体の楽しみの
7分の1にすぎない

城山三郎


城山氏が“ゴルフについて書き遺したすべてのこと”を集めた『城山三郎 ゴルフの時間』がゴルフダイジェスト社より発刊された際のインタビューで、表題の言葉は発せられた。

要約して少し抜粋してみよう。

「私はゴルフには7つぐらい楽しみがあると思っているんです。まず健康にいいこと。それから自然の中に入っていく楽しみ。人と知り合う楽しみ。それから大きな風呂に入れる楽しみ。食事もそうだけど終わってからのお酒が美味しい楽しみもありますね。だから、スコアが縮まる楽しみなんていうのは、僕にとってはゴルフ全体の楽しみの中の7分の1にすぎないんだな」

恬淡として目立つことは嫌いながら、譲れないものは頑として筋を通す。それが城山氏の生き方だった。

■城山三郎(1927~2007年)

しろやま・さぶろう。海軍特別幹部練習生として終戦。東京商科大学(現一橋大学)卒。59年「総会屋錦城」で直木賞を受賞。組織と個人との関係を深く追求した意欲作により、経済小説の開拓者となる。「落日燃ゆ」「毎日が日曜日」など著書多数。言論・表現の自由を損なうとして個人情報保護法案等に反対した論客だった。ゴルフは政財界人とのプレーも多く、スリーハンドレッドCなどのメンバーでもあった。2007年3月22日、間質性肺炎のため逝去。

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