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【笑顔のレシピ】Vol.125「上手くなる選手は皆ガツガツしている。受け身では絶対に上達しません」

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

TEXT/SHOTANOW PHOTO/Tadashi Anezaki

前回のお話はこちら

コーチには教えられるものとそうでないものがあります。

僕はゴルフの技術は教えられますが、“姿勢”は教えることはできません。ここでいう“姿勢”とは立ち姿の話ではなく、取り組む意欲や意識のほう。

選手に対して「意識が低いぞ!」と声をかけたところで、その場では気づいたり改善されるかもしれませんが、根本的には変わることなくたびたび注意を促すことになります。これではいつまでたっても選手が自立できません。だから本人が自ら成長するぞという姿勢で取り組む必要があるのです。


そもそも意識が低いと、僕のレッスンではほとんど上達しないでしょう。それは気づきや問題点を選手自らが見つけて、僕が応えるというコーチングのスタイルを取っているから。誤解を恐れずに言えば、聞いてくるまでは何も教えないレッスンとも言えます。

僕は教える側の立場の者として、上手くなりに来ているのに受け身では絶対に成長できないと思っています。これはゴルフに限った話ではありません。

ただ子どもの場合いきなりは難しいので、聞いてこない子には、何のために練習しているのか、どんなことが足りないと思っているのかを話し合い、自ら聞くことの大切さに気づいてもらえるようにしています。

ジュニア、プロに限らずやっぱり上手くなるのはガツガツしている選手。そのガツガツさは成長度合いと比例します。

一般アマチュアの方のレッスンもお金を払っているわけですから、もっとガツガツいったほうがいいと思います。それは恥ずかしいことでも失礼なことでもありません。

実際に「何年も通っているのになかなかスコアにつながらない」という相談も受けますが、コーチの技量や相性より本人のガツガツさが足りないのでは? という人もいます。“意識高い系”で、大いに結構じゃありませんか。せっかく習っているのなら、とことん前のめりにいっちゃってください!

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より

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