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【林家正蔵の曇りのち晴れ】Vol.278「スパイクを買い替えるの巻」

誰しも長年愛用してきたゴルフグッズはあると思います。私の場合は、ブラックのスパイクがそう。かなり履き続けているのです。「まだいけるだろう」と思ってずっと買い替えていなかったのです。でもつい先日のラウンドで友人に指摘され、買い替えることに。やっぱり新しいものって気分も晴れやかになっちゃいますよね

ILLUST/アオシマチュウジ

前回のお話はこちら

愛着のあるスパイクも替えどきに

「もうそろそろ、シューズも古くなっているみたいだし、新しいものを買ったら?」と友人が言う。まだ履ける、まだ大丈夫と思いつつも、あっという間に2年の月日が過ぎてしまった。

色はブラック。別に好みの色ではなく、汚れが目立たないから選んだ。これならば、どんな色のシャツやパンツでもコーディネートしやすいと店員さんが選んでくれた。

ラウンドの回数も以前よりも減ってきたので、シューズの底も減りが少なくなってきたと思っていたのに、買い替えたほうがいいと友人に指摘されるとは思わなかった。

「もうダメかな。まだいけると思っているのだけど」。友人は顔をしかめながら「お前、いつもそのゴルフシューズばっかりじゃないか。ウェアはそれなりにオシャレをしているけど、いつも決まってそのスパイク。たまにはシューズにも気を配れ」と言われてしまった。

確かにその通りだが、「じゃあ聞くが、あのなーお前は一体、何足スパイクを持っているんだよ」とあべこべに尋ねると、悪友はにやりと笑い、「10足くらいかなー」と答えた。頭をハンマーでガーンと殴られたようなショックを受けた。10足とは……。


そういえば今日も今まで見たことないシューズを履いている。メーカーはフットジョイ。ちなみに私は一度もフットジョイのスパイクを履いたことはない。「フットジョイはいいの?」とゴルフ初心者みたいな質問をすると、「バーカ。いいに決まっているだろ。キャメロン・スミスも履いているんだぞ」と鼻の穴を膨らませながら言ってきた。しかも紐なしのニューモデル。「軽そうだね」と聞くと、「あー。履いているかいないかわからないくらいだぞ。アハハハ」と高笑いである。

友人のスパイクはゴルダイの読プレと同モデル?

確かに私のシューズは、それに比べると古臭くて、おじさんご用達の見本みたいである。友人のフットジョイは、ブルーとホワイトの間くらいのカラーでいかにも涼しげでスタイリッシュだ。

待てよ。どっかで見た気がするぞ。そうだ5月号の読者プレゼントの最初に載っていたのと同じモデル。「お前、もしかしてゴルダイ読んで買ったんだろ。読者プレゼントのところに載っていたフットジョイのシューズと同じだぞ」と言ったら、「ゴルダイに載るよりも先に俺は手に入れていたもんねーだ」と友人は少し機嫌を悪くしたものの、その日のラウンドでは友人は81。私は93と完敗してしまった。

「どうもアイアンが近頃当たらなくなってねー」とこぼすと、「俺が見ててアイアンには罪は一切ない。シューズが原因じゃないか。だって前半は俺が41。お前は40で回ったろ。それで後半は53も叩いただろ。足が疲れていたとはいえ、踏ん張りが利かなくなっていたのは、たぶんシューズのせいでもあるんじゃないか」と言われた。

私はラウンドから戻ると、いつもクラブとシューズは自宅で磨くことにしている。まずは、クラブだ。ブラシと布でピカピカにする。土や泥がついたままだと、申し訳がないから。そしてシューズも。「まだまだいけるよな」とシューズに語り掛けてみるのだが、友人の履いていたフットジョイよりかはかなり古い気がする。もう一足、スポーティなタイプのスパイクを買うことにするか。

ゴルフシューズにはスパイクとスパイクレスがあるが、どちらもグリップ力や軽量化が進み、疲れにくさが抜群になっている

自慢げにニュースパイクのお披露目会

もちろん二木ゴルフに直行した。ちなみに以前のブラックのスパイクも同じ店で手に入れたものである。顔なじみのスタッフに包み隠さずに話をすると、「林家さんが、大切にシューズを愛用してくださるのは嬉しいのですが、モデルチェンジも進んでいて、かなり機能も軽量化もアップしています。軽いのにもかかわらず、踏ん張りが利くうえに、疲れにくい。通気性にも優れているので、ムレの心配も一切ありません」とのこと。つまりいいことづくめなのである。

「色はどうしましょう」と聞かれたので、「じゃあ今回はホワイト系で」と答えたのはいいが、すぐに私は「汚れは目立ちませんか」と尋ねると、スタッフさんは笑顔で「お手入れは簡単ですから大丈夫です」とのこと。

思い切ってブリヂストンのホワイトのシューズを買う。ついでにサマー用のブルーとライトグリーンのパンツを2本。ホワイトのシューズにコーディネートするように買った。なんか次のラウンドが楽しみになる。

急に先日、例の友とのゴルフが決まる。満を持して新しいホワイトシューズのデビュー。もちろん、打ちっぱなしで足をならしておいて準備万端。

当日、「見ろ、このホワイトのシューズ」と自慢げに見せると、友人はニューバランスのおニューで対抗してきた。しまった、友人のほうが格好良く見える。隣の芝生は青く見えるのたとえか。スコアはニューシューズのおかげで85。友人は87。帰宅してピカピカにシューズを磨き、「ありがとう」とつぶやいた。

新シューズ 機能もスコアも 大変身

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より