【大人ゴルフの歩き方】Vol.12「ゴルフ一夜漬け作戦」

木村和久「キムラ式大人ゴルフの歩き方」

2022.01.31

KEYWORD マネジメント木村和久

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

【大人ゴルフの歩き方】Vol.11「コンペ栄枯盛衰物語」

前回のお話はこちら

第12講　ゴルフ一夜漬け作戦

①明日はゴルフだあ～、興奮しますな
②何事も焦らずが大切よね

「練習してない」と言うやつが勝つ

コンペに参加すると、必ず言い訳をする人がいます。「夕べキャバクラ行ってさぁ寝不足だよ～、全然練習してないし」と。しかも、そいつが80台前半でベスグロを取るから驚きです。自慢げに「フラフラしてたから力が抜けて良かった」と言われた日には、はらわた煮えくり返りますわ。

でも高校時代、ラジオの深夜放送を聞いて「全然勉強しなかった」というやつがクラスで一番の成績だったでしょ。これはデジャブやん。そうなんです。コンペで弱気発言をするやつは、周りをかましているのです。陰で絶対『コソ練』してますから、言葉通りに受け取らないこと。

というわけで本題、ラウンド前、一夜漬けで何ができるか考察します。

まず練習ですが、やっても良いですが、せいぜい1～2カゴ。あくまで球筋を見極め、体の回転を良くするための運動です。当たらないからと、バカスカ打って疲れると、迷宮のアンドローラに入りますよ。

プレー前日は、むしろ健康管理が大事。散歩して疲れて一杯だけお酒を飲んで、さっさと寝てしまうのが良いことです。ボールが当たらない病にかかると、夜うなされてなかなか眠ることができません。

●深夜放送

鶴光のオールナイトニッポン、ミッドナイトストーリーに興奮した青春の日々

●迷宮のアンドローラ

意味もなく焦って5箱ぐらい打って、汗だくで体が凝りまくり。いいことなんにもない

●うなされて

寝ながらゴルフをしている人を、見たことあります

●練習してない

前日、練習しないだけで、日頃はガンガン練習しているって。そんな戯言に騙されてはいけませんぞ

プレー前日はいかに早寝するかよね

ラウンド当日にやることは、なんといっても早起きです。ゴルフ場へは、スタート1時間半前に到着するのが肝要かと。さすればゆっくり朝食を食べ、コーヒーを飲んでから練習をすれば、トイレに行く時間もあるでしょう。ラウンド中にトイレを探して走り回ることはまずありません。

これがスタート30分前にコースに到着して、慌てて朝食を食べるものだから、2番ホールあたりで、便意をもよおすわけです。いきなりギブアップはしんどいですよ。お腹の弱い方、ゆるい方は、トイレがどのホールにあるのか、確認しておくことが重要です。

名門コースで、1番ホールや2番ホール終わりに突如トイレが現れることがあります。お年寄りはトイレが近いので、配慮してのことでしょう。

さて練習ですが、ドライビングレンジがあれば、ひとカゴに限って練習をしましょう。打つ前にストレッチと素振りを怠らないように。肩の可動域を広げることが重要です。だから練習場のないコースでも、素振りはむちゃくちゃ大事。ゆっくりと大きな弧を描いて、何回もやりましょう。

練習場でやることは、あくまで今日の球筋の確認です。長いクラブが当たらないなら、短い当たるクラブで調整すること。どうあがいても当たらないときがありますが、それは諦めの境地で、開き直るしかありません。

あとスコアカードを見て、パー3のおおよその距離がわかれば、その番手のクラブで練習するのが効果的です。パットの練習はあくまで距離のみ。だいたい練習グリーンとコースのグリーンの速さが、違うことがあります。程々にですね。

あれこれ考えず、第一打は刻まずに、ドライバーで打ちましょう。豪快なOBはアリです。恥ずかしいのはチョロや空振り。ボールが飛んで曲がっても「惜しいなあ、凄い当たり」と言われればメンツは保てます。第一打でその日の仕事の8割は終了。あとは気楽にラウンドをしましょう。