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【笑顔のレシピ】Vol.104 「子どもや部下にきちんと“謝って”いますか?」

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

コーチにとって教え方は商売道具。大げさに言えば企業秘密のようなものですが、僕はできるだけオープンにしていきたいと思っています。

なぜならそれがより多くの子どもたちの成長をうながし、ひいてはゴルフ人口を増やしたり、日本全体のレベルアップにつながると思っているからです。

コーチをしていると、残念ながら選手に対して指導や育成とは呼べないような教え方を多く目にします。

特に選手の親御さんからのものが顕著で、子どもをまるで自分の道具のように扱ったり命令をしたりしている。

ただ、そのような接し方をしているとき、言っている親御さんもどこか後ろめたそうにしていて、コーチの前からあえて離れたところに行ったりしています。このような周りの目を気にするコミュニケーションは、するべきではありません。


聖人君子のようなことを言っていますが、僕も理想通りに接することができなかったり、間違うこともあります。そこで大事にしているのが、たとえ相手が子どもでも、きちんと謝るということ。今週だって何度、2歳の息子に平謝りをしたことか。

「言い方が悪かった。ごめんなさい」

「ちゃんと話を聞いてあげていなかった。ごめんなさい」

親や指導者も失敗があって当然ですが、相手にきちんと伝えなければなりません。謝ると威厳がなくなったり、ナメられるという人がいますが、それは逆。

「悪いことをしたら謝れ」と教えているのに、できないほうが信頼をなくし尊敬もされなくなるでしょう。そして子どもは、「謝らなくてもいい」という部分を真似て、周りから尊敬されない人間になってしまう。我が子や教え子が自分の一時の見栄のせいで、人の道から外れるなんてあってはなりません。

誰にだって初めてはあり、失敗はつきものです。だから相手が子どもでも、恥ずかしがらずにしっかり謝ることが大切なのです。

立場に関係なく、過ちは過ちと認めることが重要です(PHOTO/Hiroaki Arihara)

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より

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