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【笑顔のレシピ】Vol.102「レッスンの前に身だしなみを整える。これにはちゃんと理由があります」

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

TEXT/SHOTANOW

僕はレッスンの前にいろんな準備をします。これまでの生徒とのコミュニケーションを整理して当日どのような取り組みをするか決めたり、レッスンで使う予定の道具を準備したり。そして必ず身だしなみを整えてから、練習場に向かいます。

体を動かすので、ジャケットにネクタイといういで立ちではありませんが、髪形なども含めて小ぎれいにするように務めています。それはずばり、僕の言動に説得力を持たせるため

きちんとした格好をしている人とだらしない人では、同じ言葉を交わしてもその言葉の重みが異なります。外見はまったく気にしないという人がいたとしても、後者のほうが説得力があると答える人はいないでしょう。


ビジネスシーンでは当然のことですが、これは相手が小学生でも同じです。コーチというのは、信頼を築き技術を提供する仕事。有形のものを売る営業マンが、スーツを着て信頼を得るのと同じようにふるまう必要があると考えています。

また、身だしなみを整えるというのは自分や道具を大事にすることにほかなりません。僕は常日頃、生徒たちに「約束を守るのは、自分自身を大切にすること」、「道具はいただいた人に感謝をしながら使うこと」を口酸っぱく伝えています。きちんとした格好をするというのは、相手にどう思われるかということに加え、自分をコントロールすることにもつながるのです。

ビジネスの場ではしっかりスーツを着こなしている人でも、ともすれば私生活は靴のかかとを踏んだり、着るものを丸めて放置したりしがち。でも、子どもはそういった家の中でのこともしっかり見ています。

ファッション誌のように、小ぎれいな格好をして高価なものを身につけている必要はまったくありません。相手や洋服のことを考え、配慮するという気持ちを持つことが大事なのです。

彼らのお手本となるように身だしなみを整えることも、立派なコーチングの一つだと思っています。

言葉が伝わらないと感じたら、身だしなみを見直してみては?(PHOTO/Hiroaki Arihara)

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より

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