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【大人ゴルフの歩き方】Vol.9「100を切らずにゴルフを語るなかれ」

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi


第9講 100を切らずにゴルフを語るなかれ

①♪100切りは歩いて来ない~♪
②だ~からこっちから寄るんだよ~♪


漫然とラウンドしていてはヘボのまま

コロナ渦で比較的安全なスポーツとして、ゴルフが注目されています。ゆえに新しくゴルフを始める人が増加中とのこと。それは素晴らしいですが、その後100を切れる人は何人いるのやら。一般的には約2割が100切りを断念すると言われています。

砂から這い出た海ガメの子供が、海に辿り着く前に海鳥の餌になる。同様に100切り脱落者の断念は自然の摂理といえそうです。


100切り達成までは3年間、30ラウンドが目安と言われています。とは言っても平均130の人は、毎年スコアを10も縮めなければなりません。ダラダラやっていると、一緒に始めた友達に追い越されて蚊帳の外に。小学校のときの鉄棒の逆上がりや、水泳の授業を思い出してください。やはり何か覚醒しないとですね。

ゴルフはスコア100を切って、初めて見える景色があります。ゴルフに対する世界観も変わることでしょう。未だ低迷している、彷徨えるアマチュアに啓示と神のお導きを。さっさと100を切って、真のアマチュアゴルファー人生をスタートさせましょう。

●断念

100切り断念する人が2割。さらに生涯100を切れない人は、ビギナー全体で5%程いると言われます。それも悲しい

●自然の摂理

弱肉強食の世界は海ガメもゴルフも一緒よね

●景色

上を見ればキリがないが、下界には100オーバーの有象無象がたくさんいます

●覚醒

ラウンド中や練習中に気づきは常にある。その中で使えるのは10にひとつあれば良いほう。とにかく考えてゴルフをしないと

100切りは練習より自覚と戦略が大事 

まず100切りを目指すなら、最新のルールを活用するのはいかがでしょう。つまりハーフに1回起きる、突発性大叩きの対処として、R&Aの正式ルール最大スコアの採用を勧めます。最大スコアをダブルパーにすれば、どのホールで叩いても、最小限に抑えられるというものです。

ほか距離の短いコースでラウンドするのは当然だし、パー70なんてコースがあったら儲けもの。すでに2打も得してるじゃないですか。

このように練習をしなくても、スコアUPは充分可能です。100切り達成において、練習の占める割合は従来8割でしたが、私の考えた最新理論ではわずか3割に減少しました。つまり戦略が大事なのです。

100切り戦略で参考にすべきは、ピッチャー大谷翔平選手の投球です。大谷選手は普段9割の力で投げ、ピンチや終わり頃に全力投球を2~3球するだけ。ゆえにアマチュアはマン振りをしないこと。それは百害あって一利なしです。クラブを短く持ち余力で9割ショットをすべきです。

次はスコアメイクです。まず全ホールボギーで90になると理解しましょう。さらに2ホールに1回はミスして良いのです。それでスコアは99。見事100切り達成じゃないですか。つまり、どうやればボギーを取れるか? ボギー方程式の組み立てが凄く大事です。ラウンドにおける大叩き克服ポイントはいくつかあります。大事なのは①ティーショット②セカンドショット③アプローチ④パット⑤ハザードですが、最重要はティーショットです。それは最初に叩くと気分が滅入るからです。①のティーショットは200ヤードでいいからボールを曲げないこと。②のセカンドショットは160ヤードを、フェアウェイから打てるように。その①②は練習も大事ですが、実はクラブ選びがキーです。試打クラブの多い練習場でたくさん打ちましょう。クラブメーカーは、8割いる下手向けにクラブを作ってます。あなたがクラブマーケットの中心です。そこを忘れないように。

●距離の短いコース

だから平らな河川敷で100切り達成はよく聞く話。甘いオーケーをくれる人と回るのも大事。ゴルフは戦略っすよ

●戦略

平成時代と令和時代の100切りでやるべきこと。戦略とギア選びは大事よね

●9割ショット

9割で打てと言ってもなかなかできない。コツは5割パワーのハーフショットを打ってから7割、8割と上げていくこと。10割から下げるから打てないのだ

ボギー方程式

ティーイングエリアに立ったとき、どうやればボギーを取れるかを真剣に考え、そのプランに従って刻むべし。ならば成長する

●最大スコアの採用

正式ルールだが、下手が大叩きしなくなると、ニギリのカモがいなくなる。だからコンペ主催者や上級者はまず導入しない。これを何とかしないと


今月のまとめ

100切りは己の秘めたる才能の覚醒なり。
手順通りやれば誰でもできる。
飛距離と見栄を捨て、刻みと我慢を知ることなり。
キミも100を切って、ゴルフを思い切り語りましょう


教える人/木村和久

ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より