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【笑顔のレシピ】Vol.81 人生は“ハイハイ”の繰り返し?

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

近頃は、仕事も家事も勉強も、何をするにも短い時間で効率よくやることが求められます。

常にそんなことを意識していると、「早いことが正しくて遅いことが悪い」みたいに思えてきてしまうのではないでしょうか。

相手と早さを競う勝負であれば、そういった考えが正しいでしょう。でも、人の成長は競争ではありません。

たとえば、ハイハイの卒業。そう、人生で初のチャレンジともいえるアレです。ハイハイを卒業して歩けるようになるのは、だいたい1歳前後ですが人によってマチマチです。8カ月でできる子もいれば、15カ月以上かかることもあるでしょう。

でも、そのうち歩けるようになりますよね? 同じ月齢の子よりもちょっと遅かったとしても、別にその先の人生には影響はないし、なんなら全身運動のハイハイをしている時期が長いと、運動能力が上がるなんていう説もあるくらいです。

歩けるようになったら、今度は走る。次は道具を使う。そのうち自転車に乗ったり泳ぐようになったり、ゴルフを始めればドライバーを振って250ヤード飛ばしたりして、人は成長していきます。

何が言いたいかというと、どんな技能もハイハイと同じく習得する時間は人によってマチマチだということです。そして、早いからいいということではありません。

じっくりと時間をかけることで、「どうやったらできるんだろう」という考える力が身についたり、「上手い人の真似をしてみよう」と思えば観察力も鍛えられます。これは自転車に乗れるとか25メートル泳げるという技術よりも、ずっと大切なことだと思います。なぜなら、次に何かチャレンジするとき、その経験が武器になるからです。

人に教えたり子育てをしているときは、周りより進み具合が遅いと心配になりがちです。でも、習得にかかる時間差は個性なのです。その個性を尊重し、焦らず伴走していくことを大切にしてみてください。

早さを競う必要はありません(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月15日号より

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