森守洋「レッスンは受けるな」Vol.30 上手くできない人に上達するまで添い遂げる崇高な仕事です
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN >>前回のお話はこちら File.29グリップについて 極論を言えばどんな握り方でもOKです 定期的に全国のコーチやインストラクター、いわゆる『レッスン』を生業……
File.30
コーチ
上手くできない人に
上達するまで添い遂げる崇高な仕事です
またまた日本人選手が海外で大活躍をしています。山下美夢有選手が『CPKC女子オープン』を制して米ツアー今季2勝目。さらに2位には吉田優利選手が入りワンツーフィニッシュ! 本当に日本の女子選手のレベルがすでに世界トップレベルにあることを証明してくれています。
また男子も負けじと杉浦悠太選手がPGAツアー下部のコーンフェリーツアーの『アドベントヘルス選手権』で見事初優勝を飾りました。これも本当にすごいことでして、今後は男女ともに世界のトップで活躍する選手がどんどん増え続けることを期待せずにはいられません。
とはいえ、世界で活躍する選手たちも最初はみなさんがよく行かれるいわゆる『おらが町の練習場』でゴルフをスタートしたわけですし、毎日練習をして練習場にいるレッスンプロにゴルフを習っていたことと思います。そこで悩んでは練習をして毎日毎日球を打ち続けながら世界のトップで活躍できるレベルまで上がったわけです。
私がよくお客様から聞かれることがあります。それは「プロには特別なレッスンをしているんでしょう?」といった類いのことです。この連載でも以前に話しましたが、私のレッスンは基本的にはプロもアマも根本は全く同じことをお伝えしていますので、プロだからアマだからと変わることはありません。レベルに関係なく同じ線上にあります。
ただ、もともとクラブの使い方を無意識に感じ取れている上級者やプロゴルファーはある意味、『手の偏差値』が高いと言えます。ですので、手のことには触れずにクラブの動きや、効率の良い体の使い方、スウィングに対する考え方、コースとの対峙の仕方など、伝えていくことはゴルフゲーム全般にわたります。
そこで私がいつも思うのが、ゴルフのレッスンということを突き詰めるのであれば、個人的な意見ですが、『手の偏差値』がゼロと言ってもいいクラブを握ったこともない初心者の方や子どもたち、そして一番が、悩める一般のアマチュアゴルファーに、ゴルフとはをひとつひとつ教えて上達させていくことが大事だといういこと。
そういう経験値が多いコーチほどコーチング能力に長けているのではないかということです。私自身がレッスンをしていても、自分としては、プロを上手くさせるよりアマチュアゴルファーを上達させていくほうがより崇高な仕事だという意識があります。
実際にプロゴルファーたちはもともと手の偏差値が高くて能力が高い。そういう選手たちへの指導は言い方は難しいですが、ある種簡単とも言えます。正しく伝えることができれば、すぐにできてしまうからです。
それに対して一般のアマチュアゴルファーを教え、上達させていくことこそ、まさにコーチング能力が問われるのではないかと思っています。ですので、お客様から見るとプロを指導しているコーチたちはすごく能力が高いのではないかと思うかもしれませんが、決してそんなことはないのではないかと。
実は逆で、悩めるアマチュアゴルファーをレッスンして上達の支えになっているコーチたちのほうがよっぽどすごいコーチなのではないかと私は考えています。そこからいつの日か世界一になる選手が生まれてくるのですから。
プロは手の偏差値が高いから、言われたらすぐに体現できるがアマチュアはそうはいかない。そこを上達させるように創意工夫をして伝えるのが本当のコーチだと思っています


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年9月15日号より


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