【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.285「今すぐ捨てよ、真っすぐ志向」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
PHOTO/Tadashi Anezaki
>>前回のお話はこちら
- PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 最近は、テレビやネットの解説の仕事をやらせてもらうこともあるんですが、僕としては“絵に描いた餅”みたいな作りもんの解説はしたくないので、今、いろいろ勉強しているところです。 絵に描いた餅みたいな解説とは、たとえば、池越えの240ヤードのセカンドショットで、アゲンスト、ちょっとライが……
ゴルファーは、“真っすぐ志向”がとても強いです。
ドライバーなんかはほとんどのアマチュアの人がスタンスと肩のラインをターゲットに対して真っすぐにして、ボールの位置は左足のかかと線上にセットするスクエアアドレスで構えます。
最初にゴルフを覚えるときに真っすぐに飛ばすためには真っすぐ構えなさいと教わるので、その後もずっと、そうやって構えたら真っすぐの球が出る思うて真っすぐ志向を定着させとるわけです。
そもそも、いくら真っすぐに構えたってクラブがカット軌道になっとったらスライスになるんやから、真っすぐ打ちたいから真っすぐ構える真っすぐ志向は破綻しとります。
それやったら何を拠りどころに構えたらええんかいうことですが、それは「絵」と「受け皿」です。
「絵」とは、これから打とうとする球、弾道のイメージです。ただ真っすぐ打ちたいいうだけやなくて、「あの辺にこういう感じで行きたい」いう具体的な球のイメージが出ないことには、打ち方も立ち方も決まらんいうことです。
すごいアゲンストやからめっちゃ低い球を打ちたいとか、そういう状況に適応した弾道の「絵」が
頭に描かれて、スウィングとアドレスが決まるという順番になってくるんです。
「受け皿」というんは、主に、グリーンを狙うセカンドショットやアプローチのときに関係することで、ターゲット周辺の状態のことです。
下が硬いんか軟(やわ)いんか、速いんか遅いんか、どっちに切れるんか、そういうもんが把握できてないと、どうやって打つかという球の「絵」が描けんわけです。
「絵」は別に奇麗なストレートボールやなくても、スライスで止まる球とか、転がしてキャリー100ヤード、ラン100ヤードなんて球を打ってもいいわけです。
ショットはスクエアスタンス、アプローチは左足体重というような定型化された構え方をしている人は上手(うま)なりません。
ショットもアプローチも状況は無数にあるわけやから、「受け皿」から判断してこういう弾道が最適という「絵」を描き、そのためのスウィングをイメージしてアドレスに入る。これが本当のアドレスの入り方です。

「絵」と「受け皿」を忘れんでください!

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2026年8月11日号より


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