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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.276「『クラブを振る』という下地を作る」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

>>前回のお話はこちら

  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 1人で予約ができるから便利で気楽なので、「1人予約」で回る人が、僕の所属する宝塚クラシックでもけっこういるようです。気楽と言いながら、「1人予約……

前々回、僕が40代でレギュラーのシード権が取れなくなった頃に、初めてゴルフクラブを持つという30代の女性を教えた話をしましたが、その続きをしておきたいと思います。

とにかく練習場でクラブを振って「ブン!」と言わせることをやってもらって、まあ女の人ですから「ブーン!」くらい鳴ったところでコースに連れて行きました。靴だけ買ってクラブは僕の7番アイアン1本とパターだけで回ってもろうたんです。


バンカーに入ったらグリーンやないほうに出して、横から転がせばええという感じです。スコアは関係なしに、ただやっておるだけ。それでも続けましたわ。素晴らしいです。その後、1カ月に2回はコースで教えるようにしておるうちに、ホンマのクラブを買うて、1年後にはハーフで30台が出るようになりました。

やっぱり横について教えんと、あきませんね。練習場で月1回のレッスンを4回やったぐらいで「上手くならしてくれ」言われてもね、難しい。1カ月にせめて2回ぐらいは練習場やラウンドでレッスンして、半年ぐらいやったらだいぶ上手くなります。

そもそも、ツアープロが教えたら上手なるとは限りません。ツアープロには自分のことに必死で、「どうやって教えたらいいかわかりません」いう人は多いです。

僕は当時、人に教えるために勉強をしたんです。だから、この人がこんなことやってきたないうんはだいたいわかります。

一概に誰から教わればいいとかあかんとかは言えんけど、やっぱり習いに行って楽しくないと。あとは、「うわあ、こんなんできたわ」みたいに、自分のゴルフの上達の実感が得られる教え方をしてくれる人でないと続かんのやないでしょうか。

最初にボールを打たさんと、クラブに「ブン」と言わせろいうて素振りさせられたときに、「なんやこのオッサン」と思うか、とにかく続けて「ブン」と振ることができたら「嬉しいし気持ちよい」と思えるかで上手なるかどうかは決まります。

クラブを振るという下地ができた状態でコースに出るんと、球に当てるのに必死になってラウンドするんとでは、上達の速度はまったく違ってくるからです。

「『こんなんできた』と思わせてくれる人に習うとええですよ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月9日号より