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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.908「万事日々の積み上げに勝るものはないと思っています」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


先日ニュースで知ったのですが、新南愛知CCでは毎年4月にレジェンドの大会が開催されているそうですが、どのような試合なのか知りたくてお便りいたしました。(匿名希望)


毎年4月、新南愛知CC美浜コースを舞台に開催してきた『美浜インビテーショナルレジェンズ 岡本綾子カップ』は、おかげさまで4回目を迎えました。

今年も好天のもと44人の選手が出場して18ホールの競技を行い、翌日のプロアマでも元気なプレーを見せてくれました。

JLPGAは2004年、45歳以上のプレーヤーを対象とするシニアツアーを創設して、2008年からレジェンズと名前を変えてツアーを開催してきましたが、現在でも年間わずか5試合しかないのが現実です。


レギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアーが隆盛を続ける一方、これではレジェンズが寂しすぎます。

少しでもベテランのシニア選手がプレーする機会を増やしたいとの思いに、新南愛知CC・森田勉司社長のご協力をいただいて誕生したのがこの大会でした。

今年もレジェンズQT上位と推薦を含め44選手が集まりました。

招待された選手にエントリーフィーや宿泊飲食代の負担はありませんが、翌日のプロアマには出場全選手に出てもらいます。 プロゴルファーはクラブを振って賞金を稼ぎますから、味わった者にしか分からない優勝争いの緊張感、ヒリヒリするような感覚がよみがえるのでしょう。

賞金総額880万円、優勝者には100万円が贈られるともなると、おのずと競争心が湧き選手たちには笑顔だけでなく引き締まった表情が浮かびます。

そうは言っても、シニア選手の多くは、試合会場で顔を合わせることが少なくなった古くからの友人同士みたいなもので、あちこちで井戸端ならぬ“緑端会議”の花が咲く和やかさも漂っています。

そのなか大会中のわたしはコースでさまざまな方から声をかけていただき大変恐縮していました。

それは、出場選手のみならず、観戦に来場されたギャラリーや大会運営するに当たって協力をいただいているコースメンバーの皆さんのなかにも、この大会を楽しみにしてくださっている方がいるようで、わたしは方々から「楽しかった、ありがとう」という感謝の言葉をいただいていたからです。

最初は不安もありましたが、新南愛知CCの森田社長やスタッフのみなさんはもとより、メンバーの皆さんの協力なくして大会運営は成り立ちませんし地元経済界にも広く協賛いただいています。

その営業活動も広告代理店などを通じて行うのではなく、コース主体のむしろ「手作り」で賄っているのが、この大会の特徴といえば特徴です。

あえて大手代理店を介してナショナルクライアントやテレビ中継を巻き込んだ商業ベースにはしない、というのがわたしたち主催側の発想でした。

そして大会を通じての社会貢献でプロアマ競技で集めた募金でチャリティと地元愛知県美浜町の小学校を対象とするスナッグゴルフ教室の開催を続けてきました。

美浜町にある小学校(町立5校)を毎年1校ずつ順番に回りながら、その年度の5・6年生の体育の授業としてスナッグゴルフを手ほどきする活動も4年目を迎えたわけです。

準備運動の指導から始まる授業をするのは、地元出身などの女子プロ有志で、教わる生徒の半分以上はゴルフを全く知らない子です。

わたしが小学生の頃にこんな機会があったらもっと早くゴルフと出合えたかも!?

この機会にクラブを手にした小学生が活躍しているというニュースはまだ耳に入ってはきませんが、あと何年かすれば……期待も高まってしまいます。

肝心の本戦で3アンダーで優勝した久保樹乃選手は、第1回大会から出場していて2年連続で2位タイだった雪辱を果たしました。

聞けば彼女は小学生の頃、活躍していたわたしのことをテレビで見て、自分もやってみたいとゴルフを始めたそうです。

振り返ると第1回大会では、この試合がレジェンズデビューとなった不動裕理選手が初優勝、第2回大会は連覇を飾り、第3回大会では表純子選手が不動さんや久保さんを3ストローク突き放して優勝しました。

表さんはわたしと同じソフトボールから転身してプロ入り以来、親しくする後輩です。

今大会がいつまで続けられるかは分かりませんが、そんなふうに話題を重ねながら歴史をつづっていけたらと願っています。

「裏方になって選手のほうが楽だということをいま実感しています!」 PHOTO by AYAKO OKAMOTO

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日号より