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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.30「『鬼滅の刃』の竈門炭治郎に学ぶ“危険察知能力”」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

  • 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら いきなり“ナイスミス”を狙えと書きましたが、素敵な女性にアプローチすることじゃないですよ。ベタなボケを……

劇場版「鬼滅の刃・無限城編」。面白いですね。すでに3回見ました。特にシートが揺れるMX4Dは、風の呼吸ってときに風が吹き、叩かれるときは椅子の背中からぶたれるしで、臨場感抜群です。

というわけで今回は竈門炭治郎がピンチの時に「落ち着け! 考えろ、焦るな、思考を放棄するな」と言い放つ意識の全集中、これをゴルフに応用したいと思います。

我々が構えてショットをしようとするとき、妙な違和感があることはないですか? なんかしっくりこない、けれど、そのしっくりがよくわからず、まあいいやで打ってしまう。挙げ句、妙なフックが出た。実はその時、微妙なつま先上がりのライだったとかね。

我々は些細な変化にいかに気付けるかが大事です。今回は構えたとき、なぜかしっくりこない、その理由を探ってみます。


ティーショットの困惑

ティーショットは、まずドライバーを持って構えますよね。そこで妙な違和感を覚えます。狭いな、バンカーが見える、正面の木も邪魔だ、ここは刻むべきなのか? 考えろ、意識を集中しろとね。

ティーショットを打つ基本は、事前にナビを見て、OBのあるなし、池やバンカーなどのハザードの確認をし、戦略を立てるべきです。

それから今度は立った時のライ、ティーマークの位置、風などを見ます。でもいちいち「風良し、ライ良し、方向良し」と指さし確認はできません。昔、お笑い芸人が、打つ前に10カ所以上をブツブツ言って確認し、煙たがられていました。多分ネタでしょうけど。

だから意識の全集中が必要なわけで、自分の違和感アンテナをフルに活用し、構えて何か変だと感じ、仕切り直すのもアリですよ。

セッティングの癖を見抜く

平らで短いコースの場合、わざとティーマークを端に置いて、ショットを難しくさせます。そういうのはコースセッティングの罠で、同様な罠が続くことが多いです。ティーマークの位置により難易度は相当変わります。注意してみましょう。

同様にコース設計の罠も見ないと。樹木でハザードを作る人は、他のホールにも木を植えがち。コース設計の巨匠、井上誠一なら、グリーン周りにバンカーを縦に2つ配置して、攻略を難しくさせるとかね。設計家の癖を読み込むと勉強になりますね。

硬い砂のバンカー増加中

最近のゲリラ豪雨のせいで、バンカーショットが難しくなっています。豪雨後のカンカン照りで、砂が乾きすぎて岩盤化するのです。

砂に足を入れてみると、靴が砂に埋もれない。これではボールを打っても硬い砂にはじき返されて、ホームランになる可能性が大。

ベアグラウンドで打つ要領で、ガツンと打つ方法がありますが、口で言ってもなかなか難しいです。現実的には60度のローバウンスのSWでのジカ打ちが良いかな。だから大雨の翌日ゴルフをするなら、硬い砂用のローバウンスSWを入れておいたほうがいいですよ。

ホールハンディの1と2

スコアカードに書いてあるホールごとのハンディキャップがあるでしょ。あれは1と2が難易度最高で、あとは数字通りに難しい場合もありますが、意外やアットランダムの場合もあります。

とりあえず、ハンディ1と2は要注意。ハンディ1と2のホールを見たら、必ず罠が仕掛けられているので、そこを見抜かないと。

難易度の高い理由は距離が長い、ドッグレッグ、S字状のフェアウェイ、狭い、グリーン周りが難しいなどがあります。罠さえ分かればそこを注意してラウンドし、場合によっては刻みましょう。

最後は脊髄反射ショット

何か怪しいけど、何がヤバイのか結局分からなかった。けれど時間がないから打たねばならないという状況が結構あります。そういうときは、脊髄反射ショットで、自動カバーをします。

たとえば右に池がある。けどそこまで注意すべき? 実際に打つ時、左から風が吹いて来た。あかん池方向にボールが流されるかも。そういうときは、反射的にボールを左に運ぶショットをします。

脊髄反射は例えですが、でも人間は意識の下で危険回避行動を取るようにできています。というわけで、常に意識を集中してプレーをしていれば、何が危険か、咄嗟に嗅ぎ分けることができます。

さすれば竈門炭治郎の精神領域に近づけるかもしれませんね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年10月28日号より